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ナスダックが24時間取引導入へ 米国株取引に利点?投資家にチャンスとリスク

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ナスダックが24時間取引導入へ
DALL-Eで作成

米国株市場が大きく変わろうとしている。ナスダックが2026年下期に株式の24時間取引を導入する方針を発表した。世界的に高まる米国株の需要を受け、投資家にとっての取引機会は大幅に広がる見込みだ。しかし、24時間取引は単なる好機ではなく、投資リスクや新たな課題も伴う。投資家はどのように対応すべきなのか。本記事では、ナスダックの24時間取引導入の背景と、その影響について詳しく解説する。

 

ナスダックが24時間取引導入を発表

米国の主要証券取引所の一つであるナスダックは、2026年下期から株式の24時間取引を導入する計画を発表した。ナスダックのタル・コーエン社長は、リンクトインへの投稿でこの方針を明らかにした。

この計画は、世界的に拡大する米国株の取引需要に対応する狙いがある。特にアジア市場など米国との時差が大きい地域の投資家が、現地時間の昼間に取引しやすい環境を整えることが目的だ。これにより、ナスダックは世界中の投資家からの取引量拡大を見込んでいる。

ナスダックに続き、シカゴ・オプション取引所(CBOE)も同様に24時間取引の導入を計画しており、現在規制当局の承認待ちとなっている。さらに、ニューヨーク証券取引所(NYSE)も平日22時間取引の実現に向け、米証券取引委員会(SEC)から第1段階の承認を得たことが明らかになっている。

投資家にとってのチャンス

24時間取引が導入されることで、投資家にはいくつかのメリットが期待される。

1. 投資機会の拡大

これまで米国株の取引は、米国東部時間の午前9時30分から午後4時までが通常取引時間であり、時間外取引は午前4時から午前9時30分、さらに午後4時から午後8時までの限定的な取引枠に限られていた。これが24時間体制になることで、深夜帯や早朝など、従来は取引できなかった時間でも売買が可能となる。
これにより、日中は本業が忙しい個人投資家でも、自身の生活リズムに合わせた柔軟な取引が可能になる。

2. グローバル投資家の利便性向上

特にアジアや欧州など、米国との時差が大きい地域の投資家にとってはメリットが大きい。日本の投資家であれば、これまで米国市場が動き出すのは深夜の時間帯だったが、24時間取引が実現すれば、日中のより取引しやすい時間帯に米国株を売買できるようになる。

3. ニュースに素早く対応可能

経済指標の発表や企業決算など、相場を動かすニュースなどが発生した直後に即時対応できる点も、投資家にとっては重要なメリットだ。

投資家にとってのリスク

 

一方、24時間取引にはいくつかのリスクも伴うため、投資家は慎重に対応する必要がある。

1. ボラティリティの上昇

取引時間が長くなることで、市場の価格変動が激しくなる可能性がある。特に、深夜帯など取引参加者が少ない時間帯では、わずかな売買注文でも株価が大きく動くリスクがある。ナスダックのコーエン社長も、「夜間取引が増えても流動性は依然として著しく低い」と警鐘を鳴らしている。

2. 流動性の低下リスク

取引時間が長くなったとしても、すべての時間帯に十分な参加者がいるとは限らない。特に、米国市場の閉鎖直後などは取引量が極端に少なく、注文が通りにくい状況が生まれやすい。投資家は「スプレッドの拡大」などのリスクを念頭に置く必要がある。

3. 決済コストの上昇

取引時間の拡大に伴い、取引回数が増えることで手数料や決済コストが増大する可能性もある。頻繁に売買を行う短期トレーダーは特に注意が必要だ。

投資家が取るべき対応策

24時間取引がもたらすメリットを享受しつつ、リスクを回避するために、投資家には以下の行動が求められる。

1. 情報収集の強化

24時間体制になることで、相場の動きはより複雑化する可能性が高い。日中の動きだけでなく、深夜帯の変動にも注意が必要だ。経済指標の発表スケジュールや要人発言の時間帯を把握し、迅速に対応できるよう準備しておくことが重要である。

2. リスク管理の徹底

急な値動きに備え、指値注文の活用や損切りラインの設定を徹底することが求められる。特に、薄商いの時間帯では、誤発注や急落リスクに備えた慎重な注文が欠かせない。

3. トレード戦略の見直し

24時間取引に伴い、短期売買を繰り返すスタイルだけでなく、長期投資の視点も重要になってくる。取引回数が増えれば、手数料負担がかさむため、利益を確保するための計画的な運用がカギとなる。

まとめ

ナスダックの24時間取引導入は、投資家にとって新たなチャンスとリスクをもたらす。取引機会の拡大は歓迎すべき点だが、リスク管理の重要性はさらに高まることになるだろう。投資家は市場の変化を冷静に見極め、賢明な判断を心がけることが求められる。今後の規制当局の動向や、他の取引所の対応にも引き続き注目が集まる。

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ライター:

金融機関と不動産会社での勤務経験を経て2014年より金融関係や不動産関係を中心としたフリーライターとして活動。金融関係をはじめ不動産やビジネスのジャンルを中心に執筆しています。

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