クラウド型ERPシステム「ジョブカン」を提供する株式会社DONUTS(東京都・渋谷)は、士業グループ大手のSATO-GROUP(北海道・札幌雄)傘下の日本社会保険労務士法人と業務提携し、新たなサービス「ジョブカン“無料de顧問”」を2025年1月23日より提供開始することを発表した。
このサービスは、『ジョブカン勤怠管理』および『ジョブカン給与計算』を利用する企業を対象に、電話やメールでの人事労務相談や最新情報の動画配信を提供するもの。月額顧問料は無料で、必要に応じて有料オプション(1回10分1,000円、税別)も利用可能となる。さらに、従業員向けにSATO-GROUPの「無料法律相談サービス(刑事事件)」も付帯されるとのことだ。
業界背景や市場のニーズ
日本の中小企業は、少子高齢化による労働力不足という深刻な課題に直面している。2025年1月のロイターの調査によれば、日本企業の約3分の2が労働力不足の影響を強く受けており、特に非製造業や小規模企業でその傾向が顕著だ。
また、りそな銀行の南昌宏CEOは、同じくロイターの報道でインフレが中小企業のデジタル化投資を促進していると述べており、デジタル化や自動化への投資が労務管理の効率化に寄与することが期待されている。
このような背景から、人事労務管理の効率化と専門的なサポートを提供するサービスへの需要が高まっているようだ。
サービスの詳細
このサービスはすでに『ジョブカン労務HR』利用者に提供されており、今回の提携により対象がさらに拡大する形となるようだ。
- 月額顧問料無料
追加オプションとして、オンラインや電話での人事労務相談を有料提供。- 最新情報の提供
動画配信により労務法改正や助成金制度の情報、人事トレンドを専門家が解説。- 顧問表示の利用可能
提携企業は、日本社会保険労務士法人を顧問社労士として表示可能。
「ジョブカン」の特徴
「ジョブカン」は勤怠管理、経費精算、給与計算などバックオフィス業務を効率化するクラウド型ERPシステムで、累計導入実績25万社を超える。2024年には「ITトレンド年間ランキング2024」で複数部門の第1位に選ばれ、幅広い企業から支持されている。
代表取締役の西村啓成氏は、「SATO-GROUPとの提携は、バックオフィス業務の効率化だけでなく、人事労務の課題解決にも大きく貢献する」とコメントしている。
顧問社労士の活用
「ジョブカン“無料de顧問”」の導入により、企業は以下の具体的なメリットを享受できる。まず、専門家による最新の人事労務情報を動画で手軽に入手できるため、法改正や助成金情報を迅速に把握し、適切な対応が可能となる。また、必要に応じてメールや電話で専門家に相談できるため、複雑な労務問題にも迅速かつ的確に対処できる。
さらに、日本社会保険労務士法人を顧問社労士として表示することで、取引先や従業員に対して信頼性をアピールできる。これらのサービスは、労働力不足や人事労務管理の複雑化に直面する中小企業にとって、業務効率化とリスクマネジメントの両面で大きな支援となる。
「ジョブカン“無料de顧問”」は、バックオフィス支援を担う企業にとって、人事労務の専門サポートを付帯することで、さらなる価値を提供する試みとして注目されている。