多様性を尊重、女性用制服の着用義務を完全廃止
日本旅行(東京・中央)は2023年6月末、店頭店舗における女性用制服の着用義務を完全に廃止した。同社はダイバーシティ&インクルージョンの推進を目指し、働き方の多様性を実現する取り組みを進めている。
制服廃止後は、従業員が自社で制定した「身だしなみガイドライン」に基づき、オフィスカジュアルな服装で勤務することを許可している。この変更により、従業員がそれぞれのライフスタイルや個性に合わせた服装を選べる環境を整備したという。
そして、今回着用義務廃止に伴い不要となった制服をそのまま廃棄するのではなく、循環型の社会啓蒙に役立てるため、アップサイクルを行ったとのことだ。
廃棄ではなくアップサイクルにより再利用を実現
着用義務廃止に伴い不要となった制服は、そのまま廃棄せず、新たな形で再利用された。同社は廃棄衣料から再資源化されたサステナブルなボード「PANECO®」を使用し、コースターやウェルカムボード、キャッシュトレイといった製品に生まれ変わらせた。
これらの製品は現在、各地域の店舗でお客様を迎えるためのアイテムとして使用されているという。同社はアップサイクルを通じて、資源を無駄にせず新たな価値を生み出す循環型社会の実現に貢献していくとのこと。
スタッフから寄せられる歓迎の声
現場の従業員からは「私たちが着ていた制服がウェルカムボードや接客時に使うトレイとして再利用されるのは嬉しい。お客様との会話の話題にもなる」といった声が寄せられている。
また、「パンツスタイルが選べるようになり、日によって服装のカラーを変えられるのも新鮮だ。以前のような制服一辺倒ではなく、働き方の幅が広がった」といった意見も聞かれる。
「PANECO®」を活用した取り組みを社会へ提案
今回のアップサイクルで使用された「PANECO®」は、株式会社ワークスタジオ(東京・新宿)が開発した廃棄衣料繊維を原料とするサステナブルなボードを活用している。このボードは木質ボードのように加工しやすく、幅広い製品への応用が可能とのこと。
日本旅行は「PANECO®」を活用したアップサイクルの事例を広く社会に提案し、多くの人や地域と連携して循環型社会の実現を目指す考えを示している。
多様性と持続可能性の実現を目指す企業姿勢
制服の着用義務廃止とアップサイクルの取り組みは、日本旅行が多様性を尊重し、循環型社会に貢献する企業としての姿勢を示すものだ。同社は今後も企業活動を通じて社会貢献を推進し、持続可能な未来の実現に向けて歩み続ける方針だ。