
高松路上でCAの尻を着衣の上から複数回触る
事件が発生したのは2023年10月10日未明、高松市内の路上からホテルにかけての場所とされる。起訴状によると、40代の男性機長は同僚の女性CAに対して、自身の職務上の立場を利用した。
具体的には「業務に不利益が生じる」との懸念を抱かせ、同意しない意思を表明しにくい心理的な状態に追い込んだ上で、着衣の上から尻を複数回触るなどのわいせつ行為を行ったとされている。不同意わいせつ罪は、心理的または物理的に抵抗が著しく困難な場合に成立する罪で、法定刑は拘禁刑6年以上10年以下。2023年の刑法改正により、「社会関係上の地位の差」が明確に考慮されるようになった。
このケースでは、機長という絶対的な上位ポジションとCAの関係性が、検察側が起訴に踏み切った重要な要素となった。機長は社内調査に対し行為を認め、「二度とハラスメントをしない」との誓約書を提出したという。東京地検は2025年3月に在宅起訴し、現在も東京地裁で公判が続いている。
この事件は、航空業界特有の厳格な指揮命令系統が背景にある。乗客の命を預かる機長と、機内サービスを担うCAの上下関係が、日常的にパワーバランスを生みやすい構造だ。単なる個人の行為ではなく、業界の体質を問う事案として注目を集めている。
ANAの対応 乗務停止約2カ月で復帰 起訴後も機長職継続を説明
ANAの対応は比較的穏やかだった。被害女性からの相談を受け、社内調査を実施。
機長は一時的に乗務から外されたが、約2カ月後にハラスメント防止研修を受講させた上で乗務に復帰させた。降格や解雇などの重い処分は行われず、在宅起訴後も追加処分はなく、現在も機長として飛行機の運航責任者を務め続けている。
ANA側は「厳重な処分をした」「当該社員には教育を実施し、再発防止に努めている」と説明。具体的な処分内容や機長の現在の認否については「二次被害防止」の観点から非公表を貫いている。全社員対象に年1回のハラスメント防止研修を義務付けているものの、機長も受講済みだったにもかかわらず事件が発生した点が、研修の効果を疑問視する声につながっている。
広報担当者は「被害者と加害者の間の出来事」と位置づけ、起訴後の積極的な追加対応を避ける姿勢を示している。
ネットの反応 機長職継続に疑問 乗客の安全と信頼を懸念する声
事件の報道が広がると、X(旧Twitter)や各種ネット掲示板で強い反応が寄せられた。
「不同意わいせつ罪で在宅起訴された人物が、なぜ今も機長として乗務を続けられるのか」「CAの心理的負担を考えていない」「再発リスクはどう担保するのか」といった指摘が相次いでいる。特に「立場の差を利用した行為」が問題視され、「航空業界の上下関係がパワーハラスメントの温床になっている」「機長という権力者がCAを性的対象として見る構造を変えるべき」との意見が多い。
乗客側からも「こんな機長が操縦する飛行機には乗りたくない」「安全運航の信頼が揺らぐ」といった投稿が拡散されている。過去にハラスメント研修を受けていたにもかかわらず事件が起きた点についても、「研修が形骸化している証拠」との厳しい評価が見られる。
AV CAコスプレ禁止論の波及 現実の性的対象化を助長するとの指摘
この事件に連動し、アダルトビデオ(AV)業界に対する批判が急速に高まっている。
特にCAコスプレやナース、教師など実在の職業をモチーフにしたジャンルが標的だ。「AVでCAものを描くことで、現実の女性社員が『そういう目』で見られるリスクを助長している」「制服と立場の差をエロティックに表現することで、パワーハラスメントを間接的に正常化している」との声が続出している。
ネット上では「AVでCAジャンルを禁止してほしい」「職業コスプレ全体を自主規制すべき」といった投稿が相次いでいる。一部では「フィクションと現実を混同するな」との反論もあるが、事件直後のタイミングで「アホがいるからこそ規制が必要」との現実的な指摘が優勢だ。
この論調は、ANAが過去にグラビアアイドルを起用し、自社CA制服を着せて広告・コラボキャンペーンを行った際に寄せられた批判と重なる。あの時も「グラドル起用でCAが性的な目で見られるようになる」「制服に対する誇りがない、コスプレ扱いか」「一般女性と性を商売道具にする女性を一緒にするな」といった声が殺到し、「CAを性的対象化する風土を作っている」との指摘が相次いだ。
事件報道の中で、過去の広告批判と今回の機長事件、そしてAV CAコスプレが結びつけられ、「あの時の懸念が現実の形で表れた」「グラビアアイドルコラボが社内の性的視線に影響を与えていたのではないか」との意見が広がっている。
航空業界や医療業界の女性から「制服を見ると連想されて嫌」「実際の職場で性的視線を感じる」といった本音も漏れ出ており、表現の自由と現実の被害防止をめぐる議論が再燃している。
航空業界への影響と今後の課題 パワハラ構造の是正が急務
今回の事件はANA単独の問題を超え、航空業界全体の信頼性と女性社員の働きやすさを問う事態となっている。機長とCAの階層構造が不同意わいせつ罪の成立に直結した点は、業界の体質改善を強く迫るものだ。ANAは再発防止を強調しているが、処分の透明性に欠け、加害者の職務継続が批判の的となっている。
乗客の安全を最優先とする航空会社として、立場の差を利用したハラスメント防止のための抜本的な制度改革が求められるだろう。また、AV業界への波及は、フィクションが現実の被害に与える影響を改めて考えさせる機会となっている。将来的には、関係各社が被害者保護と再発防止に具体的な行動を示すことが重要だ。公判の行方と業界の対応次第で、さらなる議論が広がる可能性が高い。



