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【ボンボンドロップシールはなぜ人気?】入手困難“ボンドロ”に行列…シール交換ブームの理由

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ボンドロ
PhotoACより

文具店のシール売り場やファンシーショップに人だかりができる。そんな光景がいま全国で広がっている。お目当ては、ぷっくりと立体的な質感が特徴の「ボンボンドロップシール」。通称「ボンドロ」だ。入荷してもすぐ完売し、店舗によっては購入時間を1人1分に制限するほどの人気になっている。

なぜ、数百円の小さなシールがここまで人を熱狂させるのか。背景にはSNS時代の拡散、平成レトロの再燃、そして日本で繰り返されてきた収集ブームの歴史があった。いま起きている空前のシール交換ブームの実態と、その理由を追う。

 

 

ビックリマンからプロフィール帳へ…繰り返される収集ブーム

日本では、子どもたちが夢中になる「収集ブーム」が何度も生まれてきた。

1980年代に社会現象となったのが「ビックリマンチョコ」だ。お菓子のおまけとして入っていたシールが爆発的な人気を集め、子どもたちはレアシールを求めて商品を買い続けた。学校ではシール交換が盛んに行われ、レアシールは高い価値を持つ“通貨”のような存在になった。

1990年代から2000年代には、小学生の間で「プロフィール帳」と「シール交換」が流行した。友達同士でプロフィール帳を書き合い、そのページを飾るためにシールを貼る。かわいいシールを集めることが、当時の女子小学生の文化の一つだった。

その後もカードゲーム、ガチャガチャ、キャラクターグッズなど、子ども向けの収集文化は形を変えながら続いてきた。

今回のボンボンドロップシールのブームも、この流れの延長線にある。ただし、過去と大きく違うのはSNSの存在だ。かつては学校や友達の間で広がった流行が、いまはTikTokやInstagramなどを通じて一気に全国へ広がる。収集ブームの構造そのものは昔から変わらないが、拡散スピードは大きく変わったのである。

 

ボンボンドロップシールとは何か

ボンボンドロップシールは、ぷっくりとした立体感が特徴のシールだ。

透明のカプセルのような表面が光を受けてきらめき、宝石のような質感を持つ。カプセル部分に樹脂を流し込み、底面と表面に二重の印刷を施すことで、奥行きのあるデザインが生まれる。

見た目のかわいさだけでなく、触ったときの厚みや質感も魅力の一つだ。スマートフォンの画面では味わえない“触れる楽しさ”が、多くの人の興味を引いている。

発売から数年で出荷数は1500万枚を突破。しかし人気の急拡大によって生産が追いつかず、店頭では品薄状態が続いている。文具店では「完売」「入荷未定」の表示が並び、見つけること自体が難しい商品になっている。

 

ボンボンドロップシールはなぜ人気なのか

今回のブームの出発点は、SNSだった。

女子中高生の間で、シール帳を作る動画がTikTokなどで広がった。透明のバインダーにシールを並べ、ピンセットで丁寧に配置する。ページをめくると、色とりどりのシールが並ぶ。その様子を動画として投稿する文化が人気を集めた。

特徴的なのは、インフルエンサーではなく一般ユーザーの投稿が流行の起点になったことだ。動画を見た人が同じようにシール帳を作り、その様子をまた投稿する。ユーザーが作るコンテンツが連鎖することで、ブームは急速に広がっていった。

さらに、芸能人やインフルエンサーがシール帳を紹介したことで、20代や30代の女性にも広がり、ブームは世代を越えて拡大した。

女子中高生

SNS拡散

大人世代

小学生

という流れで、流行が波のように広がっていったのである。

 

平成レトロが生んだ懐かしさと新しさ

もう一つの背景が「平成レトロ」だ。

1990年代から2000年代にかけて、シール交換は小学生の定番の遊びだった。その文化が、いま再び注目されている。

30代前後の世代にとっては懐かしい遊び。一方で、Z世代やα世代にとっては新鮮な遊びでもある。

つまり同じシール文化でも、
・大人には懐かしさ
・子どもには新しさ

という二つの価値を持っている。その結果、親子でシール帳を作るなど、世代を越えた広がりが生まれている。

 

シール交換ブームが広がった理由

今回のブームの特徴は「交換文化」の復活にある。

シール帳を持ち寄り、欲しいシールを探す。
「これ交換できる?」
「じゃあこのシールとならいいよ」

そんなやり取りの中で、新しいコミュニケーションが生まれる。

スマートフォン中心の時代だからこそ、実際に物を手に取り、顔を合わせて交換する体験が新鮮に感じられる。シールは単なる商品ではなく、人と人をつなぐツールとして機能している。

 

品薄・転売・偽物…ブームの影

一方で、ブームの過熱は問題も生んでいる。

人気のシールは入荷してもすぐ売り切れるため、販売方法に制限を設ける店舗も増えている。購入時間を1人1分に限定し、購入枚数も制限するケースもある。

さらに、転売や偽物の問題も浮上している。海外から輸入される偽物商品の中には、シールやステッカーが多く含まれているとされ、人気ブームに便乗した模倣品の流通も懸念されている。

また学校では、シールの盗難や交換トラブルも起きている。希少性が高まるほど、持っているシールの価値が人間関係に影響するケースも出てきている。

 

シールブームはいつまで続くのか

では、このブームは一過性なのか。それとも文化として定着するのか。

流行には二つのパターンがある。爆発的に広がって消えるものと、形を変えて残るものだ。

シールの場合、
・コレクション
・手帳デコ
・交換文化
・DIY

といった複数の楽しみ方がある。そのため、現在の過熱状態は落ち着いたとしても、趣味として一定の人気が残る可能性は高いと見られている。

 

小さなシールが映す時代の空気

ボンボンドロップシールの人気は、単なる流行ではない。

SNSで広がり、リアルな交換でつながる。
懐かしさと新しさが重なり、子どもから大人まで楽しめる。

そして何より、数百円で小さな喜びを得られる。

物価が上がり生活が厳しくなるなか、人々は大きな贅沢よりも「小さなご褒美」を求めるようになっている。

AIやデジタルが広がる時代に、人はもう一度、手を動かし、物に触れ、誰かと交換する楽しさに戻りつつある。ぷっくりとした一枚のシールが、多くの人を惹きつける理由はそこにあるのかもしれない。

 

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ライター:

広告代理店在職中に、経営者や移住者など多様なバックグラウンドを持つ人々を取材。「人の魅力が地域の魅力につながる」ことを実感する。現在、人の“生き様“を言葉で綴るインタビューライターとして活動中。

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