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アイドルファン全面戦争?ベストヒット歌謡祭SPユニットで“ビジュアル・知名度論争”勃発(乃木坂46・とき宣・イコラブ・FRUITS ZIPPER・ME:I)

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11月13日放送の読売テレビ・日本テレビ系音楽特番「ベストヒット歌謡祭2025」で、異例のスペシャルユニットが発表された。
メンバーは、乃木坂46の井上和、超ときめき♡宣伝部の吉川ひより、=LOVEの佐々木舞香、FRUITS ZIPPERの櫻井優衣、そしてME:IのTSUZUMI
5つの人気アイドルグループを横断する豪華ユニットが、ハロー!プロジェクトの名曲「初恋サイダー」(Buono!)をカバーすることが明らかになると、SNS上では図らずも“ファン全面戦争”とも言える激論が巻き起こっている。

 

ハロプロ曲を「ハロプロ不在ユニット」で披露することへの違和感

まず見られたのは、「ハロプロの名曲を歌うのにハロプロアイドルがいないのはおかしい」という声だ。
『初恋サイダー』は、Berryz工房の嗣永桃子・夏焼雅、℃-uteの鈴木愛理によるユニット「Buono!」の代表曲。その系譜を継ぐのであれば、後輩にあたるハロプロアイドルが担当するのが筋だという意見だ。
ハロプロの現存グループには、モーニング娘。’25、アンジュルム、Juice=Juice、BEYOOOOONDSなどが挙げられる。番組側としては“アイドル界横断のドリームユニット”を狙ったのだろうが、出自を重んじるファン層の一部にとっては、文化的リスペクトの欠如と映ったようだ。

 

SNS上で過熱する「ビジュアル」「知名度」論争

さらに波紋を呼んだのが、ユニット選抜メンバーの「ビジュアル」「知名度」についての意見である。

発端は、あるX(旧Twitter)ユーザーの投稿。告知を引用し、
「ビジュアルでは(乃木坂46の)井上和の一人勝ちだな」
という個人の感想を投稿。
これに対して別のユーザーが、
「一般中高生が見たら井上和だけ誰?ってなりそう」
と反論。

このやり取りをきっかけに、各グループファンが“自軍”を擁護する形で議論が拡散した。
結果、「どのグループが一番ビジュアルのレベルが高いか」「知名度があるか」「一般層に届いているか」といった比較合戦が各界隈で白熱する事態に。

 

“大人数継承系”と“少人数固定メンバー系”の構造的ギャップ

アイドルの組織構造を踏まえると、この論争の根底には“グループの仕組み”の違いがある。

【大人数継承系グループ→AKB48/乃木坂46/モーニング娘。など
世代交代を前提とした「継承系グループ」。新メンバー募集および既存メンバー卒業による定期的な人員入替えがある。楽曲披露には「選抜制」の体制をとる。

少人数固定メンバー系グループ】→超ときめき♡宣伝部/=LOVE/FRUITS ZIPPER/ME:I など
メンバー固定の「固定メンバーグループ」。メンバーの新規加入を前提とせず、脱退・卒業が発生した際に初めて補充検討。(補充or減員で活動継続・解散などの道がある)楽曲披露には「全員選抜」の体制をとる。

乃木坂46のような大人数継承系グループでは「選抜・非選抜」「センター経験」などの内部ヒエラルキーが存在し、ファン間の評価基準が多層的だ。そのため、所属メンバーやグループファンの間からの「村内評価」と、他グループファンや一般層からの「村外評価」の乖離も起きやすい。
一方、少人数固定制グループはメンバー全員が“常にフロント”であり、ファンにとっては“全員が顔”となる。グループが一躍注目を浴びれば、一度にメンバー全員の名前の認知がされることもある。(10人組(=LOVE)、11人組(ME:I)を一気に覚えるのは人間の記憶力的に難しいかもしれないが…)
この構造の違いが、知名度や露出の受け止め方に差を生んでいるとも言える。

 

グループ別・知名度指標データ(2025年11月時点)

次に、「知名度」に関する客観的なデータを見ていこう。

グループ名YouTube登録者数TikTokフォロワー数備考
乃木坂46約173万人約110万人日本の女性アイドル最大級の動画チャンネル。Youtube・ TikTokともに100万人超のリーチ力。
超ときめき♡宣伝部約41万人約56万人若年層への訴求力が高く、ショート動画で人気。
=LOVE約53万人約55万人指原莉乃プロデュース。SNS認知も安定。
FRUITS ZIPPER約55万人約71万人KAWAII LAB.(カワラボ)の一番人気グループ。“わたしの一番かわいいところ”で世界的バズ。
ME:I約72万人約75万人オーディション番組”PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS”(通称:日プ女子)出身、2024年4月デビューながら急伸。

このデータから見えるのは、乃木坂46がこの中で唯一YouTube・TikTokともにフォロワー100万人超と圧倒的リーチがある一方で、TikTokやInstagramを軸にするグループがSNS世代で存在感を拡大している構図だ。
とき宣やFRUITS ZIPPERは若年層の「バズり力」、=LOVEやME:Iは「ファンダムの厚み」で勝負している。

 

“非アイドルファン一般層”との認知ギャップ

今回の論争の原点である「一般中高生の知名度」のターゲット層とは異なるが、筆者が20代後半~30代前半の非アイドルファン層の知人にヒアリングしたところ、
乃木坂は白石麻衣と、TikTokやYouTubeショートで流れてくる“ラヴィット!”の切り抜き動画でよく見る弓木っていう人しか知らない」
「TikTok音源でバズってるカラフルな女性アイドルがいるのは分かるが、グループやメンバーの名前は知らない」

という声があがった。

女性アイドル沼にどっぷりの筆者は衝撃を覚えた。彼らは西野七瀬も齋藤飛鳥も、生駒里奈も山下美月も与田祐希も知らない。そして、「TikTok音源でバズってるカラフルな女性アイドル」には、今回の参加グループであるとき宣、ふるっぱーの他に、きゃんちゅー(CANDY TUNE)、きゅーすと(CUTIE STREET)、きゅるして(きゅるりんってしてみて)なども含まれていると推測するが、その違いも分かっていないようだ。

つまり、“アイドルに興味がない層”の認知度は、TikTokでの露出やテレビ出演に大きく左右されており、“SNSで話題になる”ことと、“顔と名前が一致する知名度”はまったく別の次元なのだ。

 

アイドル界の「ビジュアル・知名度戦争」はさておき、当日のパフォーマンスに注目

今回の論争は、単なるファン同士の小競り合いではなく、現代アイドル界の構造を象徴する事件でもある。テレビ・SNS・YouTube・TikTokというメディア分断のなかで、「どこで誰に知られているか」がグループごとに異なり、その違いが“知名度”や“人気”の定義を曖昧にしている。

11月13日の放送では、彼女たちのパフォーマンスが「どの世代・どの界隈に届くのか」も注目だ。そして、「コラボ」「対バン」などでよくあるのが、「それまで全く興味が無かったのに、一度見たらどんどんハマった」という現象だ。今、「自軍」の優位を主張しているファンも、当日の放送を観たら推すグループ・メンバーが増えているかもしれない。
「未来の推し」に会えるかもしれない、当日の放送をお楽しみに。

 

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ムーンサルト もも

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広告代理店勤務を経て、Webメディア運営会社での編集・記事制作を経験。現在はフリーランスのWebライターとして活動。ネットミーム愛好家。

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