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「公立の星」県岐阜商、延長サヨナラでセンバツ王者横浜を下す感動の一戦

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県立岐阜商業、横浜高校撃破

第107回全国高等学校野球選手権大会は19日、阪神甲子園球場で準々決勝が行われ、春の選抜覇者・横浜(神奈川)が県岐阜商(岐阜)に延長11回、8-7で敗れた。死闘を制した県岐阜商は、21日の準決勝で日大三(西東京)と対戦する。

 

横山温大、初回から魅せたファインプレー

試合開始直後、横浜の先頭打者が放った鋭い打球は右中間を破るかに見えた。しかし、県岐阜商の7番ライト・横山温大(3年)が芝を滑るようなダイビングキャッチで好捕。大歓声が沸き起こり、チームは一気に勢いに乗った。左手のハンディを抱えながらも果敢に飛び込み、捕球から送球までの流れるような動作は、観客の心を強く打った。

 

横浜、4点差を追いつく執念の攻防

試合は序盤から県岐阜商がリードを広げ、5回終了時点で4-0とした。しかし、横浜は王者の意地を見せる。6回、押し出しや相手のミスで2点を返すと、池田聖摩の適時打で1点差に迫る。8回には再び相手の失策を突き、土壇場で同点に追いついた。

そして9回と10回には「5人内野シフト」を敷く奇策を披露。タイブレークで走者を背負いながらも粘り抜き、甲子園のスタンドをどよめかせた。観客は名門横浜の準備力と勝負強さに息を呑んだ。

 

タイブレークの攻防、最後は坂口が決着

延長10回は両校が3点ずつを奪い合い、息詰まる攻防が続いた。11回裏、2死一・三塁で打席に立ったのは4番・坂口。フルスイングで放たれた打球は外野へ抜け、劇的なサヨナラ勝ちとなった。観客席は割れんばかりの歓声に包まれ、県岐阜商の選手たちは歓喜の渦に飛び込んだ。

 

「ハンディを乗り越えたヒーロー」7番・横山温大

今大会、県岐阜商で存在感を増しているのが7番ライトの横山温大外野手(3年)だ。生まれつき左手の指がなく、右手でバットを握り、左手を添えて振り抜く独特の打撃フォームを持つ。ボールを捉える瞬間まで左手を添え続け、最後は強く押し込む。その姿は観客に強い印象を与えている。

日大山形戦で4打数2安打と活躍し、その後も安打を重ねてきた横山は、横浜戦でも4試合連続安打を記録。序盤、右中間に抜けそうな打球をダイビングキャッチで好捕するファインプレーを披露し、観客席を大きく沸かせた。捕球後の素早い持ち替えからの送球も見事で、野球経験者からは「ハンディを感じさせない」「純粋に外野手として一級品」と絶賛の声が相次ぐ。

努力の裏には、人一倍の鍛錬がある。横山はウエートトレーニングで右手を徹底的に鍛え、今夏にレギュラーの座をつかんだ。憧れの選手は米大リーグ・レッドソックスの吉田正尚。自身と同じ体格の左打者であり、映像を繰り返し見ながらタイミングの取り方を学ぶ。2023年のWBC準決勝・メキシコ戦で吉田が右手一本で放った同点3ランに強く影響を受け、自らの打撃スタイルにも重ね合わせている。

岐阜大会では打率5割超を記録し、甲子園でも3試合で4安打2打点と結果を残す。藤井潤作監督は「この大会のヒーロー」と評し、チームの精神的支柱となっている。

 

解説者の声「今大会屈指の名勝負」

野球評論家のゴジキ氏は「まさに死闘だった。延長11回の末に決着する劇的な展開は、今大会のベストゲームと言える」と振り返る。フリーライターの川端康生氏も「両チームの頭脳戦が光った。準備と鍛錬の成果が凝縮された素晴らしい試合だった」と語った。横浜の村田浩一監督も「勝ったチームが強い」と潔く敗戦を受け止め、県岐阜商を称えた。

 

公立校の快進撃が与える意味

県岐阜商は県立高校で、地元出身選手を中心に編成されたチームだ。近年は私立の強豪が席巻する甲子園にあって、公立校の快進撃は観客の胸を打つ。SNS上でも「地元の子どもたちが全国の舞台で輝く姿に勇気をもらった」といった声が広がっている。

審判判定の是非を巡る議論も一部で起きたが、試合を左右するような混乱はなく、むしろ「今の時代に合わせ、審判団によるリプレイ検証を導入すべきだ」といった建設的な意見も聞かれる。甲子園の名勝負は、技術や戦術だけでなく大会運営の在り方にまで議論を広げた。

県岐阜商は21日、再び全国屈指の名門・日大三と対戦する。勢いそのままに決勝進出を果たせるか、注目が集まる。

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ライター:

サブカル分野を中心に執筆するフリーライター。アニメを中心とした二次元をこよなく愛し、推しへの愛とリスペクトを忘れず、作品の魅力やキャストの想いを届ける記事を心がけています。レビュー、考察、インタビュー、イベントレポートなど、多方面からアニメ・サブカルの魅力を発信。

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