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核シェルターの歴史・法律・費用・海外相場【2025年最新版】

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イスラエル×イラン衝突で高まる“備え”のリアリティ

核シェルターとは

イスラエル空軍がイランの核関連施設への空爆を開始し、テヘラン市民が地下駐車場などに避難する様子が報じられた。その影響は世界に広がり、日本でも「核シェルターとは」「核シェルター 費用」などの検索数が急増している。

この記事では、核シェルターの基本から設置の費用、海外での導入事例、日本国内での法制度や補助制度まで、2025年の最新情報を整理する。

 

核シェルターとは いま改めて注目される理由

核シェルターは、爆風や熱線、放射線、さらには化学兵器や生物兵器の脅威から人命を守る防護施設である。スイスでは1962年以降、国民1人あたり1平方メートルの核シェルター面積を法律で義務づけており、全住民分を超える備えが整っている。一方、日本では民間普及率はわずか0.02%にとどまり、海外に比べて遅れが顕著だ。

 

核シェルターの歴史 冷戦から現代へ

核シェルターの原型は、第二次世界大戦中のロンドン大空襲で市民が地下鉄に避難した事例にある。その後、冷戦下の米ソ対立を背景に米国では1961年、公共フォールアウト・シェルターの整備が本格化した。

スイスでは1960年代に民間住宅へのシェルター設置を義務化し、1997年にはシンガポールも新築住宅への「家庭用防空壕」の設置を法律で義務づけた。こうした流れの中で、核シェルターは戦争だけでなく自然災害やテロ対策としても進化してきた。

 

法制度と補助制度 整備されつつある支援の枠組み

日本では核シェルターの設置義務や専用の補助制度は現時点では存在しない。ただし、岐阜市など一部自治体では「耐震シェルター」の設置に対する助成制度が運用されており、最大で工事費の9割(上限27万円)の補助が受けられる。

一方、スイスでは自治体が設置を補助し、設置しない場合には1平方メートルあたり1500スイスフランの代替納付が必要となる。シンガポールでは建築許可の条件として設計段階でのシェルター組み込みが義務化されている。

 

家庭用シェルターの種類と費用

日本で入手可能な家庭用核シェルターは、大きく分けて空気清浄機能付きの密閉空間を設けるエアコン型(約300万円)、屋内に設置できるユニット型(約700万円)、地下5メートル程度に埋設するタイプ(約1500万円)、さらに公共施設や大人数向けに対応する大型タイプ(数千万円〜)の4種類に分類される。

安全性とコストのバランスを見ながら、自宅の構造や土地条件に応じて選択する必要がある。

 

海外での相場と普及状況

アメリカでは、テキサス州を拠点とするメーカーが2万ドルからのプレハブ型シェルターを販売しており、標準的な受注額は5万〜7万ドルほどとされる。英国では豪華仕様のシェルターが30万ポンド超で販売されており、「地下にもう一つの生活空間を持つ」という発想が定着しつつある。

イスラエル・イランの武力衝突が表面化した2025年6月以降、米国メーカーでは問い合わせや受注が前年比で3割以上増加しているとされる。

 

費用を抑えるにはどうすればよいか

費用を抑える現実的な対策としては、シェルター付きの物件を選ぶことが挙げられる。初期費用を大幅に削減できる可能性があるからだ。次に、地方自治体が提供する耐震補助制度を核シェルターに転用する方法もある。また、郊外に設置することで土地代を抑え、全体の工事費を軽減することもできる。都市部よりも郊外の住宅に地下シェルターを設置することで、コストを約3〜4割削減できるケースもある。

よくある質問と回答

地下シェルターは水没するのではないかという疑問があるが、完全防水ハッチや排水システムを導入すれば、地上が浸水しても内部に水が入ることはほとんどない。また、耐久年数はおおよそ20年が目安とされており、空気清浄フィルターなどの設備は5〜10年ごとの交換が推奨される。放射性降下物の影響が弱まるまでの待機時間は、48時間から2週間が一般的とされている。

 

「備えること」と「考えること」は両立できる

核シェルターは、すべての危機を解決する万能の装置ではない。それでも、自然災害や突発的な事態に備える「最後の安全空間」としての役割は今後さらに注目されていくだろう。

イスラエル・イランの衝突は、私たちに「備える」ことの意味を問いかけている。今、核シェルターについて考えることは、明日の平和を選び取るための一歩かもしれない。

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寒天 かんたろう

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ライター歴26年。月刊誌記者を経て独立。企業経営者取材や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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