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岩手県名門企業・有名企業 一覧 売上ランキング~地元経済を支える老舗から新興企業まで~

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岩手県企業売上高ランキング

岩手県と聞くと、豊かな自然や米どころとしてのイメージ、あるいは歴史ある南部鉄器や盛岡三大麺などの食文化を思い浮かべる方が多いだろう。一方で、同県には製造業、金融、流通、サービスなど多彩な企業が拠点を構え、独自の強みを活かして東北地方のみならず全国に事業を展開している。

ここでは、売上高が公表されている企業(あるいは関連法人)を中心に、独自の調査を交えてランキング形式で紹介する。

本ランキングは、2021年頃の公表データや、企業による最新の決算・開示情報、推計値を組み合わせて作成したものであり、すべての企業を網羅するものではない。また、同じ企業でも年度や発表元によって売上高が異なるケースもあるため、目安としてご覧いただきたい。

なお、掲載順位は売上高をベースに大きい順とし、「名門」と呼ばれる歴史や実績、地域貢献などの要素にも注目している。また、一部学校法人や公共性の高い法人も“事業規模”の大きさから便宜上ランキングに組み込み、参考値として掲載している。必ずしもすべての企業を網羅するものではなく、あくまで目安としてご覧いただきたい。

 

第17位:株式会社ネクスグループ(本社:花巻市)

  • 売上高:約21億3,000万円(2024年時点)
  • 業種:IT関連、人材サービス、農業関連など多角経営
  • 上場の有無:上場(東証スタンダード・証券コード6634)
  • 解説:ITソリューション事業や人材派遣サービス、農業支援などを幅広く手がけるグループ企業。首都圏を含む広域展開を進める一方、地元・岩手での産業活性化に寄与する事業も行っている。

第16位:株式会社岩手放送(本社:盛岡市)

  • 売上高37億2900万円(2024年3月期)
  • 業種:テレビ・ラジオ放送
  • 上場の有無:非上場
  • 従業員数:116名(2025年3月1日現在)
  • 名門ポイント:テレビ・ラジオ兼営のメディア企業。県内外のニュースや情報番組を通じて、地域に密着した独自のコンテンツを発信し続けている。

第15位:株式会社ナンブテック(本社:奥州市)

  • 売上高:約50億円(2022年時点)
  • 業種:精密機器製造・電子部品加工
  • 上場の有無:非上場
  • 名門ポイント:産業用ロボットや自動車向け機械部品を強みに、国内外の大手メーカーと取引。奥州市の製造業集積を支える中堅企業として、安定的な業績を上げる。

第14位:岩手日報社(本社:盛岡市)

  • 売上高:約60億8488万円(2024年3月期)
  • 業種:新聞・出版
  • 上場の有無:非上場
  • 解説:県内最大部数を誇る地方紙として報道・情報提供を担う。紙媒体だけでなくWEBサイトやSNSを積極活用し、地域のニュースや文化、イベント情報などを幅広く発信。記者力と地元密着の取材網が強みとされる。

第13位:株式会社タカヤ(本社:花巻市)

  • 売上高:約129億円(2024年時点)
  • 業種:住宅設備機器・建材卸、リフォーム事業
  • 上場の有無:非上場
  • 従業員203名(2024年4月1日現在)
  • 名門ポイント:キッチンやバス、トイレなどの設備機器販売・工事を展開し、岩手・東北の住宅インフラに貢献。近年はリノベーション事業や省エネ住宅分野でも存在感を高めている。

第12位:岩手県北自動車株式会社(本社:盛岡市)

  • 売上高:約175億円(2022年時点)
  • 業種:バス・交通事業
  • 上場の有無:非上場
  • 従業員数:654人
  • 名門ポイント:盛岡・宮古・久慈など県北エリアや青森県境に至るまで広域にバス路線を展開。地域住民の移動を支える公共交通機関として重要な役割を果たす。1943年に創業。岩手県内における高速バスや路線バスなどを運行する。2009年、岩手・宮城内陸地震や燃料費の高騰などを理由に民事再生手続きを行い、2010年4月に株式会社みちのりホールディングス傘下の新体制となった。

第11位:株式会社みちのくクボタ(本社:花巻市)

  • 売上高:売上高189億円(2024年12月期)
  • 業種:農機具・建機販売・サービス
  • 上場の有無:親会社:上場(東証プライム)
  • 従業員620名(2025年1月現在)
  • 名門ポイント:国内トップクラスのシェアをもつクボタグループ。岩手支社は広大な農地を抱える同県の農業生産を支える要として、アフターサービスから新規技術の導入までを行う。
 

第10位:株式会社アイシーエス(本社:盛岡市)

  • 売上高:約109億5,000万円(2023年度)
  • 業種:情報処理・ソフトウェア開発
  • 上場の有無:非上場
  • 名門ポイント:行政・医療・流通など幅広い領域のITシステム構築・運用を手がける。岩手県や東北地方の公共・民間分野で安定した実績を持ち、近年はクラウド技術の導入支援やDX推進にも注力している。

第9位:株式会社東北銀行(本社:盛岡市)

  • 売上高(経常収益):約147億3,800万円(2024年3月期)
  • 業種:地方銀行
  • 上場の有無:上場(東証スタンダード・証券コード8349)
  • 名門ポイント:岩手県を中心に東北各地へ店舗を展開する地域金融機関。中小企業や個人向けローンに強みを持ち、農業・観光など地元の基幹産業を支える金融サービスに取り組んでいる。
 

第8位:川徳(本社:盛岡市)

  • 売上高:169億円 
  • 業種:百貨店
  • 上場の有無:非上場
  • 名門ポイント:盛岡市中心部の老舗百貨店。地元顧客のみならず、観光客や帰省客のショッピングにも対応した商品ラインナップを展開し、各種催事や特産品フェアなどで県内外の商材を紹介する。

第7位:株式会社北日本銀行(本社:盛岡市)

  • 売上高(経常収益):236億38百万円(2023年3月期)
  • 業種:地方銀行
  • 上場の有無:上場(東証スタンダード・証券コード8551)
  • 名門ポイント:岩手県内に深い店舗ネットワークを構築する地銀。個人・法人融資や金融商品販売などを強化しつつ、地域企業の資金調達や再生支援にも積極的に取り組む姿勢を示している。
 

第6位:カガヤ(本社:一関市)

  • 売上高:245億円(2024年4月期)
  • 業種:スーパーマーケット・小売
  • 上場の有無:非上場
  • 名門ポイント:一関市を拠点に複数の小売店舗を構え、生鮮食品や日用品の販売を展開。地域農家やメーカーと協力した商品開発などにも取り組み、地場産業の発展にも一定の役割を果たしている。

第5位:株式会社イワチク(本社:紫波郡紫波町)

  • 売上高:326億円(令和5年度実績)
  • 業種:食肉加工・流通
  • 上場の有無:非上場
  • 従業員464人
  • 名門ポイント:「いわて牛」をはじめとする県産ブランド肉の加工・販売を中核とし、ハム・ソーセージの製造でも高い評価を受ける。地元畜産を支える貴重な存在。

第4位:株式会社岩手銀行(本社:盛岡市)

  • 売上高(経常収益):約438億円(2024年3月期)
  • 業種:地方銀行
  • 上場の有無:上場(東証プライム・証券コード8345)
  • 名門ポイント:明治期に設立され、岩手県最大規模の金融機関として地域経済を支えている。公共団体との連携や個人向けサービスに加え、企業向けコンサルティング、地方創生関連ファンドなど多角的な業務を展開している。

第3位:岩手医科大学付属病院グループ関連法人(本部:盛岡市)

  • 事業活動収入:547億円(2022年度)
  • 業種:医療・大学運営(学校法人)
  • 上場の有無:該当せず(学校法人)
  • 従業員:正規職員3,042名(2024年5月1日現在)
  • 名門ポイント:医学部・歯学部・薬学部などを擁する総合大学と付属病院を中心に、岩手県のみならず東北地方の高度医療を担う巨大法人。教育・研究機能も充実しており、県内外から多くの患者と学生が集まる。企業形態ではないものの、地域に果たす役割と経営規模が極めて大きい。

第2位:株式会社ベルジョイス(本社:盛岡市)

  • 売上高:830億7000万円(2024年2月末現在)
  • 業種:スーパーマーケットチェーン
  • 上場の有無:非上場
  • 従業員正社員:1,066名(2024年2月末現在)
  • 名門ポイント:県内で複数店舗を運営するスーパーマーケット。地元生産者との提携やプライベートブランドの開発など、地域密着の経営姿勢が評価されている。
 

第1位:薬王堂ホールディングス(本社:岩手郡矢巾町)

  • 売上高:1,422億円(2024年度)
  • 業種:ドラッグストアチェーン
  • 上場の有無:上場(東証プライム・証券コード7679)
  • 名門ポイント:東北地方を中心にドラッグストアを多店舗展開し、調剤薬局併設店や食品コーナーなどを充実させることで地域住民の利便性を高めている。セルフメディケーション需要の高まりを追い風に業績を拡大し、岩手県発の上場企業として全国的な注目を集める。

【総評】

上記の通り、岩手県内には医療・教育関連の大型法人から歴史ある食品・製鉄企業、さらにはハイテク産業を担う先進企業まで多様な顔ぶれがそろう。銀行や物流、小売業も県民の日常を下支えし、観光・レジャー事業では安比高原などのリゾート開発が進められてきた。県の面積が広いゆえに地域ごとの特色も強く、「ものづくりの奥州」「鉄の釜石」「農畜産の雫石・紫波」「観光の八幡平」など、それぞれが異なる強みを活かしながら存在感を発揮している点が特徴的だ。

 岩手県は東日本大震災後の復興・再生を経て、今なお人口減や高齢化などの課題に直面している。しかし、老舗企業の多くが歴史に裏打ちされた経営基盤を持ち、新興企業はITや半導体分野で全国や世界と戦える競争力を培いつつある。ローカルスーパーや地銀など地域密着型の企業・法人が堅調に歩みを進めることで、県内の雇用や暮らしを支え、地域創生の要となっている。

 今回のランキングは主に「売上高」をベースに取りまとめたが、実際の経営状況や地域貢献度は当然ながら数値だけでは測りきれない。転職・就職やビジネスパートナーを探すうえでは、企業の公式リリースや最新の決算書を合わせて精査し、各社のビジョンや社風、研究開発力などを総合的に判断することが重要だ。東北随一の広大な大地を舞台に、岩手企業がこれからどのようなイノベーションを生み出し、新しい時代を切り拓いていくのか。その動向に注目が集まっている。

岩手県の名門企業について他の企業を知っている方は教えてください。

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ライター:

金融機関と不動産会社での勤務経験を経て2014年より金融関係や不動産関係を中心としたフリーライターとして活動。金融関係をはじめ不動産やビジネスのジャンルを中心に執筆しています。

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