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2024年の出生数は過去最少72万人、死亡数は161万人 自然減が過去最大 統計から日本の未来を探る

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2024年、日本の出生数が統計開始以来最少の72万人となり、少子化の加速が浮き彫りになった。一方、死亡数は過去最多の161万人を超え、人口の自然減は過去最大を記録している。この傾向が続けば、日本社会の構造そのものが変わる可能性が高い。本記事では、出生数・死亡数の推移、自殺者の増加、自然減の影響、少子化対策の現状を分析し、日本の未来の行方を探る。

 

出生数72万人に減少、過去最少を更新

厚生労働省が発表した2024年の人口動態統計によると、年間の出生数は72万988人で、前年から約3万7643人(約5%)減少した。これは9年連続で過去最少を更新したことになり、統計を開始した1899年以降、最も低い数字である。

出生数の推移(2015年~2024年)

出生数(万人)
2015100.5
201697.7
201986.5
202084.0
202181.1
202279.8
202375.9
202472.0

出生数の減少は、日本の少子高齢化が加速度的に進んでいることを示している。専門家によると、若年層の人口減少、晩婚化・未婚率の上昇、経済的な不安要素が背景にあり、少子化対策の強化が求められている。

出生数減少の要因

  1. 少子化の加速
    • 晩婚化や非婚率の上昇が影響し、出生数の減少が続いている。
    • 内閣府の調査によると、30代の未婚率は男性で約47%、女性で約35%に達している。
    • 結婚しても子供を持たない選択をする夫婦が増えている。
  2. 経済的不安と子育て環境の厳しさ
    • 若年層の経済的な不安が大きく、子育てに対する負担感が強い。
    • 住宅価格の高騰や保育所不足、教育費の負担増も影響を与えている。
  3. 女性の社会進出とライフスタイルの変化
    • 女性の社会進出が進み、キャリアと家庭の両立が難しくなっている。
    • 日本の育児休暇制度は世界的に見ても充実しているが、職場環境の整備が遅れている。

死亡数は161万人超え 過去最多を記録

一方で、2024年の死亡数は161万8684人と4年連続で増加し、過去最多を更新した。新型コロナウイルスの影響は減少しつつあるが、超高齢化の進行による死亡者数の増加は今後も続く見込みだ。

また、厚生労働省の分析によると、死亡数の増加は高齢化に加え、感染症や生活習慣病の増加が要因として挙げられている。

死亡数の推移(2015年~2024年)

死亡数(万人)
2015130.3
2019138.1
2020146.5
2021143.7
2022157.1
2023159.0
2024161.8
 

自然減も過去最大に

出生数と死亡数の差を示す「自然減」は89万7696人に達し、過去最大となった。
自然減は18年連続で続いており、日本の人口減少が加速度的に進行していることを示している。

自然減の推移(2010年~2024年)

自然減(万人)
2010-12.6
2015-29.8
2019-51.6
2020-62.5
2021-62.6
2022-77.3
2023-83.1
2024-89.7

このままのペースが続けば、日本の総人口は今後10~20年で急激に減少し、2060年には総人口が8000万人を下回る可能性が高いとされる。

人口減少が続けば、労働力の不足や年金制度の維持が難しくなるほか、地域社会の存続にも影響を及ぼす。特に過疎化が進む地方では、自治体の財政難や医療・福祉サービスの縮小といった課題が深刻化する。

婚姻・離婚の動向

 

2024年の婚姻件数は49万9999組で、前年比で1万組以上増加した。
しかし、戦後2番目に低い水準であり、結婚するカップルの数は依然として少ない。
また、離婚件数は増加しており、家庭環境の変化が出生数減少に影響を与えている可能性もある。

婚姻・離婚の推移(2010年~2024年)

婚姻数(万組)離婚数(万組)
201070.025.2
201563.622.6
201958.320.8
202052.519.3
202150.118.1
202249.018.3
202348.018.8
202450.019.0

結婚率低下の要因

昨年度の婚姻件数は増加したが、以前として戦後最低水準の推移が続いている。その要因として、経済的な不安定さが挙げられる。特に若年層の正規雇用率の低下や、住宅費の高騰が結婚に対するハードルを上げているのだろう。

また、価値観の変化も影響しており、結婚しない選択をする人が増えている。仕事や趣味を優先するライフスタイルが浸透し、結婚が必ずしも人生の重要な選択肢ではなくなっている。また、女性の社会進出も影響し、キャリアと家庭の両立が難しくなることで、結婚や出産を先送りにするケースが増加していることも考えられる。

 

自殺者数の増加 若年層への影響も深刻に

自殺者数も増加傾向にある。警察庁の統計によると、2024年の自殺者数は前年比で増加し、2万2000人を超えた。特に若年層の自殺率の増加が懸念されており、厚生労働省は雇用環境やメンタルヘルス支援の強化を進める方針を示している。

自殺者数の推移(2015年~2024年)

自殺者数(人)
201524,025
201820,598
202021,081
202221,881
202322,011
202422,500(推定)

自殺増加の要因

自殺者数の増加には、経済的困難や社会的孤立、精神的ストレスの増大が影響している。特に、非正規雇用の増加や賃金の伸び悩みが若年層の経済的安定を脅かし、生活の不安定さが心理的負担となっている。また、企業の終身雇用制度の崩壊により、職場での将来設計が描きづらくなっていることも要因だろう。

そして、高齢者の自殺も増加傾向にあり、年金の受給額が十分でないことや、配偶者との死別による孤独感が大きく影響している。また、地方では過疎化が進み、社会とのつながりが希薄になることで孤独死や自殺が増加している。

さらに、SNSの普及も精神的なストレスを増加させる要因となっており、若年層の間では誹謗中傷や比較による精神的な負担が問題視されている。

 

まとめ

2024年の出生数は72万人と過去最少を記録し、死亡数は161万人を超えた。これにより、人口の自然減は過去最大となり、日本の少子高齢化は急速に進行している。

労働力人口の減少は経済の成長を鈍化させ、特に介護・医療分野では深刻な人手不足が予測される。社会保障制度の持続も課題となり、年金や医療費の負担増加が避けられない。

地方の過疎化も進み、若年層の都市部流出が止まらなければ自治体の運営は厳しくなる。政府は育児支援や働き方改革を進めているが、抜本的な対策なしでは少子化の流れを変えるのは難しい。

人口減少が避けられない中、持続可能な社会の構築には、労働環境の改革、移民政策の見直し、地域活性化策の強化など、多方面での対策が急務である。

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ライター:

新聞社・雑誌の記者および編集者を経て現在は現在はフリーライターとして、多方面で活動を展開。 新聞社で培った経験をもとに、時事的な記事執筆を得意とし、多様なテーマを深く掘り下げることを得意とする。

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