フジテレビ関係者との女性トラブルが報じられた中居正広氏は、間もなく芸能活動の休止を発表するとみられている。しかし、あるバラエティ番組のプロデューサーは「休業は名ばかりで、実質的な芸能界引退だ」と指摘している。
フジテレビのCMはACジャパン祭りに
現在、中居氏の女性トラブルの問題はフジテレビに飛び火し、17日には港浩一社長が緊急会見を実施。18日のフジテレビのCMは公益社団法人ACジャパン祭りといった感じでフジテレビの屋台骨を揺るがす事態となっている。ACジャパンのCMはCM枠に空きが生じた場合に放送されることで有名だが、例えば、「めざまし土曜日」では、ACジャパンのCMが12本流れたという。
また、日本生命が自社CMをACジャパンに切り替えたという情報もネット上では言われている。今回の問題の根が深いのは、特定のタレントやジャニーズのような芸能事務所ではなく、テレビ局の不祥事という点だ。経営陣の引責やハラスメント対策、コンプライアンスの徹底が求められるにしても、目途がたつまでかなりの時間を要するハズだ。その間、テレビ局の一番の収入源となる広告費の売上が立たなくなるとなれば、かなり厳しい経営を強いられる年となりそうだ。
中居氏は雲隠れ
中居氏は中居氏で1月9日、公式ウェブサイトに「トラブルがあったことは事実です」と声明を発表して、性加害の事実を認めたが、「今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました」とコメントしたことが、スポンサーやファンの反発を招いた。
現在、中居が出演している「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」や「ザ!世界仰天ニュース」を含む5本のレギュラー番組は、休止や終了に向けた調整が進められているという。広告代理店関係者によれば、CM契約違反による違約金は数億円規模になる可能性があると報じられており、特にソフトバンクが法的措置を検討しているとのことだ。
中居本人はマスコミの直撃を避け、都内のマンションやホテルを転々としているが、今回の件で貯金も含めた全財産を失う可能性があると、日刊ゲンダイが報じている。
SNSでの声:現場の混乱とタレント批判
SNS上では、この問題に関して多くの意見が寄せられている。ソフトバンクと思われる携帯ショップスタッフが現場の混乱を嘆く声として、「パンフレットが中居さんの写真入りのため使用停止となり、新しいものが間に合わず営業に支障が出ている」との投稿がある。
また、「空港や電鉄で使われている中居さんの広告が全国各地で差し替えとなると、膨大な費用と時間が必要になる」と、企業への損失を懸念する声も多い。
一方で、中居本人への批判も少なくない。「SMAP時代からの成功で傲慢になり、多少のことは許されると勘違いしていたのではないか」というコメントが多い一方で、「騒動の全容が明らかになっていない中での批判は早計ではないか」といった中立的な見解や擁護の声も見られる。
例えば、『これまでの功績を考慮すべきだ』とする意見もあり、SNS上ではさまざまな意見が飛び交っている。さらに、「関係者が正しいアドバイスをしていれば、ここまでの問題にはならなかったのでは」と、周囲の対応を疑問視する声も寄せられている。
日本の高額違約金事例
中居正広の件をきっかけに、国内で報じられた高額な違約金事例が改めて注目されている。これらはあくまで報道された噂によるもので、実際の金額は不明な点が多いことは留意いただきたい。
例えば、市川猿之助が家族を殺めた時の契約解除では、約20億円の違約金を支払ったとの日刊ゲンダイ報道がある。沢尻エリカは薬物事件をきっかけに10億円の違約金が発生したとされる。同額の違約金が発生したとされる伊藤健太郎は、交通事故の不祥事が原因だった。さらに、CM契約解除により広末涼子が約4億円、吉沢亮が泥酔トラブルで約1億円超の違約金を支払ったとの報道もある。
こうした事例からもわかるように、タレントの知名度が高いほど、企業が受ける損害も大きく、それに応じて違約金が高額になる傾向が見られる。
海外タレントの違約金事例
韓国のNewJeans、驚異の680億円
海外では、違約金の金額がさらに巨額にのぼるケースがある。韓国の人気アイドルグループ「NewJeans」が契約解除を行った場合、680億円以上の違約金が発生すると試算されている。この金額は、グループの世界的な人気と、関連する契約規模を反映したものとされる。
少し背景の説明が必要だろう。NewJeansは2024年11月末に所属事務所『ADOR』との専属契約を解除するという衝撃的な発表を行い、芸能界に波紋を広げたことに端を発しているようだ。NewJeansは2022年にデビューし、K-POP史上最短で米ビルボードHOT100入りを果たすなど、韓国国内外で人気を誇るグループ。2023年の売り上げは約120億円とされ、韓国を代表するアイドルグループとしての地位を確立していた。
それが、いきなり彼女たちは緊急記者会見を開き、「11月29日午前0時をもって専属契約を解除する」と発表。この会見は開始2時間前に告知されるという異例の形で行われ、メンバーだけが登壇。事務所や代理人弁護士の同席はなく、会見内容からは彼女たちの確固たる意志が垣間見えたと言われている。
一連の騒動は2024年4月に始まっている。NewJeansの生みの親であり、『ADOR』の代表を務めていたミン・ヒジン氏が、親会社『HYBE』から業務上背任などの疑いで解任されたのだ。その後、NewJeansは生配信や国会証言などでミン氏の代表復帰を求める活動を続け、事務所との対立が深まっていった。そして最終的に、メンバー自身が契約解除を発表する事態に至ったようだ。当時の報道を見ると、韓国の芸能ウォッチャー・ヒョンギ氏は、「NewJeansの対応は極めて異例であり、彼女たちの年齢や事務所との関係性を考えると、背後にミン・ヒジン氏が深く関わっている可能性が高い」と指摘している。一方、『ADOR』は契約解除の有効性について法的措置を取ることを表明しており、そうした違約金が680億円と試算されたようだ。
韓国ではさらに、俳優ジスが過去の校内暴力問題を理由にドラマを降板した際、約30億ウォン(約3億円)の損害賠償を請求されたことがある。この事例では、タレントの過去の行動が現在の契約にどのように影響を与えるかが示された。
中国タレントの違約金
少し時は昔になるが、中国の国営通信社の新華社が、女優ファン・ビンビンの行方不明事件に関する公式報道で、ファンさんは総額約4億7900万人民元(102億円)の罰金と、さらに2億5500万人民元(54億円)の未払い税金を課せられる可能性があると報じている。中国の他のメディアは、ファンさんの負債はもっと高額になる可能性があると報じており、最もよく引用される数字は8億8000万人民元(187億円)だ。
中国では、「新疆綿問題」を理由に海外企業との契約を解除した芸能人に対し、違約金が発生するかどうかが議論になったケースもある。具体的な金額は公表されていないが、中国国内外の企業にとって大きな影響があったとみられている。
違約金の背景と影響
これらの事例を通じて、タレントが契約違反や不祥事を起こした場合の影響は、日本でも海外でも非常に大きいことがわかる。違約金の額は、契約の規模やタレントの影響力、そして企業が被る損害を基準に算定されるため、特に知名度の高いタレントの場合、企業への影響がより深刻となり、金額が高騰する。
また、タレント自身の行動がキャリアや財政状況に直結する厳しい現実が浮き彫りになっており、芸能界全体におけるリスクマネジメントの重要性が再認識されるきっかけとなっている。
いずれにしろ、中居正広氏は現在雲隠れ中なワケだが、かつて自身の演技が絶賛された名作映画のタイトルが現在の心の声と一番近いのではないか。
私は貝になりたい……
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