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「カフェ・ベローチェ」売却へ、コロワイドなど名乗り 外食再編、規模の経済が生き残りのカギに

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カフェベローチェ

日本と香港を拠点とする投資会社ロングリーチグループが、「カフェ・ベローチェ」などのコーヒーチェーンを展開する運営会社の売却を検討していることが20日、共同通信などによって報じられた。

外食大手コロワイドや投資ファンドの日本産業推進機構(NSSK)など複数社が買収に名乗りを上げており、早ければ来週にも優先交渉権が付与される見通しだ。

 

買収候補の狙いとC-Unitedの現状

売却の対象となるのは、事業運営会社「C-United(東京)」。同社は、ロングリーチグループが買収した旧シャノアール(ベローチェ運営)と珈琲館が合併して2021年に誕生した。さらに2023年には「カフェ・ド・クリエ」を展開するポッカクリエイトも吸収合併しており、現在は7ブランドのコーヒーチェーンを束ねる巨大カフェグループとなっている。

買収に名乗りを上げているコロワイドは、「大戸屋ごはん処」や「牛角」など幅広い外食チェーンを展開しているが、これまでカフェ事業は比較的手薄だった。今回の買収が実現すれば、手薄なポートフォリオを強力に補完することになる。一方、NSSKは外食産業への投資を拡大する方針を掲げており、C-Unitedが持つ店舗不動産の収益化(バリューアップ)も視野に入れているとみられる。

 

なぜこのタイミングなのか? 〜売り手と業界の事情〜

このタイミングで動きが表面化した背景には、売り手であるロングリーチグループの利益確定(エグジット)戦略と、外食産業全体が直面する構造的な変化という2つの要因が推察される。

複数ブランドの統合による経営合理化が一段落し、企業価値が高まった現在は、ファンドにとって最適な売却時期と言える。一方で、業界は原材料費や人件費の高騰に苦しんでおり、単独での生き残りが難しくなっている。「規模の経済」を追求し、共同調達やDX(デジタルトランスフォーメーション)で効率化を図ることが急務となっているのだ。

 

元ベローチェ店長が語る「現場から見た売却劇」

今回の売却報道について、都内の店舗で店長を務めた経験を持つA氏(40代男性)は、「現場の感覚としても、驚きよりは『ついに来たか』という納得感の方が強い」と語る。

A氏はまず、今回のタイミングについてこう分析する。

「ここ数年、原材料費、特にコーヒー豆や乳製品の値上がりは凄まじく、現場のコスト意識だけではカバーしきれないレベルに達していました。同時に人手不足で採用コストも跳ね上がっています。ベローチェの強みである『リーズナブルな価格』を維持するためには、これ以上の単独運営は限界が来ていると肌で感じていました。ファンド側としても、これ以上保有してリスクを負うよりは、ここで手放すのが得策と判断したのでしょう」

 

さらに、買収によって生まれるシナジー(相乗効果)については、現場視点で次のように期待を寄せる。

「例えば、名前のあがったコロワイドのような巨大な外食チェーンの傘下に入れば、食材の調達力が桁違いに上がります。これは原価低減に直結し、結果としてお客様への価格転嫁を抑えることに繋がるかもしれません。また、現場が最も期待するのはDX化の推進です。レジ締めや発注業務など、店長の事務作業は依然として多い。大手のノウハウでここが効率化されれば、スタッフはより接客や居心地の良い空間作りに集中できるようになります。お客様が支持してくださっている『ベローチェらしさ』を守るためにも、体力のある企業の傘下に入ることはプラスに働くはずです」

消費者の期待と今後の展望

 

買収劇の行方が注目される一方で、利用者からは独自のサービス維持を求める声も上がっている。

「カフェ・ベローチェ」は、ゆったりとした広い店舗とリーズナブルな価格設定で、多くのビジネスパーソンや学生から「居心地が良い」と支持を集めてきた。

また、昨今では全席禁煙のカフェが増加する中、ベローチェは貴重な喫煙スペース(喫煙ブース)を設けている店舗が多く、愛煙家にとっての「オアシス」としての役割も果たしている。

どの企業が買収するにせよ、規模の経済を追求した合理化の一方で、ベローチェが長年培ってきた「独自の空間価値」や「顧客の利便性」をいかに維持できるかが、買収後のブランド価値を左右することになりそうだ。

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ライター:

金融機関と不動産会社での勤務経験を経て2014年より金融関係や不動産関係を中心としたフリーライターとして活動。金融関係をはじめ不動産やビジネスのジャンルを中心に執筆しています。

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