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栃木県・柔道指導者が起こした女子中学生への性加害事件――母親の告発が巻き起こした怒りと賛否の渦

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栃木県性加害・田代

指導者という仮面を被り、15歳(当時)の少女の夢を蹂躙した男が、わずか2年の刑期を終えて社会に放たれた。栃木県で起きた柔道指導者による性加害事件は、出所後の加害者が被害者に再接触を図るという最悪の展開を迎え、母親の執念の告発により日本中を震撼させている。法改正の狭間で下されたあまりに軽い量刑と、野放しにされた異常な執着。人気配信者コレコレ氏の番組で拡散されたこの悲劇は、もはや一家族の問題ではなく、この国の司法と防犯システムの敗北を象徴している。

 

夢を人質に取った支配、柔道界の権威を悪用した卑劣な罠

被害少女は当時中学3年生で、県大会を制し全国大会への出場を控えた将来を嘱望される選手だった。加害者はその情熱を熟知しており、自らの欲望を満たすための「首輪」として利用した。

家庭内のトラブルで家出した少女を車内で性的暴行に及び翌日、母親や警察と共に「一緒に探す」と装いながら捜索に参加。その後、少女へ「誰かに言えば特待生の話を潰す」「一生柔道ができなくなる」「今までのことをみんなに話す」と脅迫を継続。有望な選手の夢を人質に取る行為は、肉体的な蹂躙以上に、魂の尊厳を根底から破壊する悪魔の所業と言わざるを得ない。

加害者は行為の最中に避妊を拒み、少女にピルを強要するなど、極めて自己中心的な支配を徹底していた。また、大会前の大切な時期に、自身の支配力を誇示するため怪我のリスクを顧みない過酷な練習を強いた形跡もある。母親が娘の端末から卑猥なやり取りの証拠を発見した際、男は一部を認めながらも隠蔽工作を図り、LINEの削除を命じていた。

少女が法廷で放った「法律がないなら、自分の手で殺してやりたい」という言葉は、救いようのない絶望の叫びである。

 

旧法の壁と児童福祉法への切り替え、懲役2年の軽すぎる代償

事件は2023年不同意性交等罪新設前で旧法適用。加害者が一部否認+LINE削除で証拠が不十分とされ、検察は児童福祉法違反へと訴因を切り替える苦渋の決断を下した。

下された判決は「懲役2年」。(児童福祉法違反としては重めとの指摘もあるが、母親側は「極めて軽い」と不満)

裁判中、加害者の男は謝罪するどころか、自身の不遇を嘆くような逆ギレの態度を崩さなかった。

現在も被害少女はPTSDに苦しんでいるという。新法(2023年7月)ならばより重刑が課されていた可能性が高い。法の不遡及という原則の前に、少女の苦しみは数値化され、切り捨てられた。

 

出所後の不審な接触、ネット上に漂う「次なる獲物」への執着

刑期を終えた加害者の男が社会に戻ったことで、事態はさらに悪化した。

男は反省するどころか、SNSを通じて被害少女の匿名アカウントを特定し、直接メッセージを送るという異常な執着を見せた。母親は「更生などしていない、捕食者が再び獲物を探している」と激しい危機感を表明している。

さらに母親は加害者の男が現在進行形で複数の女子中高生のアカウントに対し、不自然なリプライや接触を試みていると指摘。服役というペナルティが、この男にとっては単なる「休止期間」に過ぎなかったことを物語っている。匿名性の高いネット空間において、その魔手から子供たちを守り切ることの難しさが改めて浮き彫りになった。

 

コレコレ配信による拡散、爆発するSNSの民意と再犯防止への渇望

母親の捨て身の告発に火をつけたのは、人気配信者コレコレ氏の番組だった。

2026年2月10日の配信でこの問題が大きく取り上げられると、X上でも別ユーザーから「被害者が配信に上がりました。 本人の強い希望により拡散希望です。」と投稿、瞬く間に800万ビューを超えSNS上には加害者への非難と現行制度への怒りが渦巻いている。

「懲役2年で出てきて即DMを送るような男が野放しなのは異常。司法は誰を守っているのか」「不同意性交等罪が数ヶ月間に合わなかっただけで、これほど量刑が変わる不条理が許せない。法改正の遡及適用を真剣に考えるべき事案だ」「日本もいい加減、性犯罪者登録制度やGPS監視を義務化すべき。加害者の人権より、子供たちの命と未来の方が重い」「母親の勇気に敬意を表す。拡散して周知することが、今できる唯一の防犯だ」

こうした声が圧倒的多数を占める一方、ネット上には「事実関係の全容がわからない」「一方的な告発は危険だ」「証拠隠滅があったとはいえ、量刑は児童福祉法違反としては妥当だったのでは?」とする少数の中立論の意見も出たが、それらはすぐさま「再犯の危険性という現実を見ろ」という猛烈な批判に飲み込まれている。コレコレ氏の配信は、一家族の悲劇を、日本社会全体が解決すべきシステムの問題へと押し上げた。

 

捨て身の告発に込めた母親の決意、問われる社会の責任

「娘と戦う。捨てるものもなくなった」という母親の決意は、司法に守られなかった被害者家族の最終手段である。身バレのリスクを負ったこの告発は、単なる感情的な非難ではなく、再発防止に向けた社会変革を迫る切実な問いかけだ。柔道の夢を奪われ、今も暗闇の中にいる娘の傍らで、母親は孤独な戦いを続けている。

この事件が我々に突きつけた課題は、指導者と未成年の間に生じる圧倒的な支配構造をどう解体するかである。そして、再犯率が高い性犯罪者に対し、刑期終了後の監視をどう構築するか。米国のようなメーガン法や、韓国、ポーランド、チェコや一部の米国の州一部で採用されている化学的去勢といった議論を避けては通れない段階に来ている。母親の告発を一時的なSNSの炎上で終わらせてはならない。

一刻も早い法整備と、子供たちの夢を守るための強固な社会システムの構築が、今、私たち全員に問われている。

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ライター:

千葉県生まれ。青果卸売の現場で働いたのち、フリーライターへ。 野菜や果物のようにみずみずしい旬な話題を届けたいと思っています。 料理と漫画・アニメが大好きです。

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