
弁護士法人AdIre法律事務所(代表弁護士:鈴木淳巳、東京都豊島区、以下「アディーレ」)は4日、退職代行サービス「モームリ」を利用したユーザーを対象とした特設の無料相談窓口を開設すると発表した。
これは、同サービスの運営を巡り、弁護士法違反(非弁行為)の疑いで代表者らが逮捕されたとの報道を受けた措置だ。アディーレによると、この事件を受けて、自身の退職手続きの法的有効性や、支払った費用の扱いについて不安を抱える利用者からの相談ニーズが高まることが予想されるため、緊急の対応策として設置されたものである。
弁護士法違反疑惑が招く利用者の不安と「契約の有効性」
退職代行サービスは近年急速に普及したが、弁護士資格を持たない業者が、本来弁護士にしか許されていない「法律事務(交渉など)」を行った場合、弁護士法違反に問われる可能性がある。
アディーレによると、今回対象となるのは退職代行サービス「モームリ」をすでに利用した人々だ。利用者が抱える「どの契約に基づき、誰に費用を支払ったのか整理できていない」「退職自体は成立したが、法的に問題がないか不安」といった懸念に対し、事実関係を整理する場を提供するとしている。
特に焦点となるのは、過去に支払った費用の取り扱いである。仮に当該サービスとの契約内容や実態が違法なものであった場合、その契約の有効性が問われることになる。アディーレは、具体的な事情によっては「不当利得返還請求」、すなわち支払い済み費用の返還を求めることが法的に可能となるケースが生じ得るとの見解を示している。
個別の事情に踏み込んだ法的検討
ただし、すべてのケースで返金や契約無効が認められるわけではない。 アディーレは発表の中で、「契約書の内容、説明の有無・程度、実際の対応、費用の支払先や流れなど、個別の事情も問題となる」と指摘している。一律の判断は難しいため、利用者個々の状況をヒアリングした上で、契約の有効性や法的対応の可否を冷静に検討する必要がある。
これは、単なる不安解消にとどまらず、消費者保護の観点から、法的な整理を行うための実務的な窓口と言えるだろう。
LINEを活用した期間限定の相談体制
今回の特設相談窓口は、利用者の利便性を考慮し、LINE公式アカウントを通じた「事前予約制」に一本化されている。相談受付期間は、5日から13日までの9日間限定となっており、予約枠が埋まり次第、受付は終了となる。
「弁護士を、もっと身近な存在に」を理念に掲げるアディーレ法律事務所は、これまでも労働問題や債務整理など、個人の法律トラブルに注力してきた。今回の迅速な窓口設置は、法的トラブルの渦中にある利用者を「何もしない」状態から解放し、次のステップへ進ませるための支援と言えそうだ。



