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スーパーペンギンの再生板紙構法が挑む展示会廃棄ゼロへの実装

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スーパーペンギンの再生板紙構法が挑む展示会廃棄ゼロへの実装
提供:SUPER PENGUIN株式会社

展示会場で繰り返される大量廃棄という構造的課題に対し、既存の施工プロセスを維持したまま素材のみを置換する実効性の高い手法が登場した。本稿では、日本初の実装に踏み切った企業の背景にある哲学と、業界の未来を占う。

 

パシフィコ横浜で示される日本初の実装モデル

展示会ブースデザインを手掛けるスーパーペンギン株式会社は、2026年1月21日から開催されるSCビジネスフェア2026において、カルチュア・コンビニエンス・クラブの出展ブースに再生板紙構法を試験実装する。本構法は、2025年12月にプロトタイプが発表されたばかりの新技術である。これまで概念実証の段階であったが、実際の事業会社のブースとして商用の展示会に投入されるのは日本で初めての試みとなる。パシフィコ横浜の会場に現れるブースは、通路側に再生板紙製の展示台を配し、壁面には木枠と再生板紙を組み合わせたハイブリッド構造を採用する。サステナビリティと意匠性の両立を、実社会のビジネスシーンで証明する重要な試金石となるだろう。

職人の技を温存し素材だけを塗り替える独自性

本取り組みが他社の環境対策と決定的に異なる点は、既存の展示会エコシステムを否定していないことにある。従来の環境配慮型ブースといえば、レンタル什器やシステムパネルと呼ばれる画一的なアルミフレームの利用が主流であった。しかし、これらはデザインの自由度が低く、企業のブランディングを重視する出展者からは敬遠される傾向があった。

これに対し、スーパーペンギンの再生板紙構法は三つの特筆すべき独自性を持つ。一つは施工の連続性であり、素材を木材から再生板紙に置き換えるだけで、職人の作業工程をほとんど変える必要がない。二つ目は外観の同一性で、表面に壁紙仕上げを施すため、完成した姿は従来の木工ブースと見分けがつかない。そして三つ目は、木工ブースが持つ寸法自由性を維持しており、複雑なデザインにも対応可能な点である。木工を排除するのではなく、その良さをそのままに素材をアップデートするという、極めて現実的なイノベーションと言えよう。

見て見ぬふりを拒むデザイナーの矜持

 

この構法の背景には、代表の竹村尚久氏が抱き続けてきた、業界の慣習に対する強い違和感がある。華やかな展示会が閉幕した直後、重機によって無残に壊され、トラックに積み込まれていく大量の木材を日常的に目にする中で、竹村氏は「このまま見て見ぬふりをしていてよいのか」という自問を繰り返してきた。

同氏の哲学は、単なる環境保護の理想論ではない。展示会を「集客」というビジネスの場として成立させつつ、デザイナーとしての社会的責任を果たすことにある。再生板紙素材を製造する日本化工機材との出会いをきっかけに、異業種との連携によって、長年の課題であった廃棄の山を循環の輪へと転換する道筋を見出したのである。

この会社から学べるサステナビリティの社会実装

スーパーペンギンの取り組みは、多くのビジネスパーソンに真の持続可能性とは何かを問いかけている。まず注目すべきは、ユーザーエクスペリエンスを変えずに課題を解決するという視点だ。施工業者に新たな習熟を強いることなく、出展者にデザインの妥協をさせない。この負担を強いない変革こそが、普及の鍵を握る。

さらに、一社の利益を越えたプラットフォーム化を目指す姿勢も重要である。竹村氏は自社だけの独占にこだわらず、同業他社との連携を模索している。現在は素材の防炎処理工程によりコストが従来の1.5倍程度かかるという課題があるが、これも一社の挑戦が業界の標準へと広がれば、規模の経済によって解決可能な問題だろう。カルチュア・コンビニエンス・クラブのような影響力のある企業が採用することで、追随する出展者が増えることが期待される。この一歩は、年間2万トンの廃棄物をゼロにするための、静かな、しかし確実な号砲となるに違いない。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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