ログイン
ログイン
会員登録
会員登録
お問合せ
お問合せ
MENU

法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

南鳥島が危ない!中国空母接近と「第2の南シナ海」化する資源戦争 あと2ヶ月で工場が止まる?

ステークホルダーVOICE 地域社会
コラム&ニュース ニュース
リンクをコピー
南鳥島

「もう限界です。あと2ヶ月、いやもっと早く在庫が尽きるかもしれない」。兵庫県にある精密機器メーカーの社長は、悲痛な叫びを上げた。2026年1月、高市首相が放った「台湾有事」に関する発言。これに激昂した中国政府は即座にレアアースの輸出規制強化という報復カードを切った。

この措置は日本のハイテク産業の心臓部に大きなダメージを与えそうだ。LEDや電気自動車のモーターに不可欠なレアアースだが、供給の蛇口を締められたことで、町工場から大企業までが「生産停止」の恐怖に直面している。

日本経済は今、中国のさじ加減一つで窒息しかねない危機的状況にあるのだ。

 

「台湾有事の前に、ウチが有事だ」町工場の悲鳴

精密機器メーカーの薄暗い事務所で、60代の社長は鳴り止まない電話に追われていた。「納期は絶対? 分かってます。でもモノが入ってこないんです。私らが悪いんやない、国同士のケンカのせいで……」

受話器を置くと、社長は在庫管理表を睨みつけた。そこに記された数字は、この会社の「余命」そのものだ。「テレビで高市さんが『台湾有事』と勇ましく言うてましたけど、現場からしたら『台湾有事の前に、ウチが有事や』と言いたい」

社長の工場が作るスマホ用モーター部品の心臓部には、中国産レアアースが不可欠だ。これまでは品質と納期で大手メーカーの信頼を勝ち取ってきたが、その土台がいま、音を立てて崩れようとしている。「取材では『あと2ヶ月持つ』と答えましたが、それは計算上の話。中国の商社からは『来週の船便が止まるかも』と連絡が来た。そうなれば来月の給料も危うい」

工場には数十人の従業員とその家族の生活がかかっている。

 

起死回生の「南鳥島」に忍び寄る影

そんな絶望的な状況下で、唯一の希望の光となっているのが、日本最東端・南鳥島沖での国家プロジェクトだ。1月12日、地球深部探査船「ちきゅう」が清水港を出航した。目指すは水深6000メートルの海底。そこには日本が100年以上使い続けても余りある「国産レアアース泥」が眠っている。

J-CASTニュースの報道によると、プロジェクトに携わる東京大学大学院の中村謙太郎教授は、この泥には中国産とは異なり放射性物質がほとんど含まれていないこと、さらに中国が独占し外交兵器として利用する「重レアアース」も含まれている可能性があると指摘している。もし採掘が成功すれば、中国による「資源独占」という最強の外交カードが無力化されることになる。

だが、中国はこの動きを黙って見てはいなかった。「ちきゅう」の出航に合わせるかのように、中国海軍が不穏な動きを見せているのだ。すでに2025年6月には空母が周辺海域へ展開しており、現在もその圧力は続いている。

 

空母展開は「ハイブリッド戦」の予兆か

キヤノングローバル戦略研究所の峯村健司氏は情報番組で、この動きについて「中国が邪魔しに来ている。空母の航路を見てもかなり南鳥島を意識している」と断言した。

この動きを単なる示威行動と見るのは危険だ。なぜなら、これは南シナ海で現在進行形で起きている「ハイブリッド戦」の予兆と酷似しているからだ。中国がフィリピンやベトナムの海洋権益を奪う際、まず調査船を送り込み、次に漁船を装った海上民兵、そして海警局の大型船、最後に海軍が出てくるという段階的な包囲網を敷くのが常套手段となっている。

今回、南鳥島周辺でいきなり空母が見え隠れしている事実は、中国が南鳥島を「第2の南シナ海」として紛争化させる準備を整えているとも読み取れる。

 

中国が怯える「独占崩壊」の日

なぜ中国は、国際的な批判を浴びてまで南鳥島に固執するのか。取材を進めると、中国国内の切迫した事情が見えてくる。かつては資源大国を誇った中国だが、長年の乱開発による環境破壊とコスト高騰により、国内鉱山は限界を迎えつつあると言われている。

中国はいま、自国資源を切り売りする立場から、他国の資源を管理・加工することで世界を支配する戦略へと転換している最中だ。そんなタイミングで、日本が良質かつ大量の独自資源を手に入れてしまえば、中国が握る世界のサプライチェーン支配が根底から覆ってしまう。北京にとって南鳥島のプロジェクトは、単なるライバルの出現ではなく、国家戦略を脅かす悪夢そのものなのだ。

 

参加企業がターゲットになる懸念

今後、警戒すべきは洋上のトラブルだけではない。峯村氏が指摘するように、プロジェクトに参加する日本企業そのものが標的になる恐れがある。中国ビジネスを展開する商社やメーカーに対し、南鳥島に関わるなら中国市場から締め出すといった、経済的な脅しをかけてくる可能性は極めて高い。

南鳥島のニュースを見ても、冒頭の精密機器メーカーの社長の心には虚無感しか広がらないという。

 

「南鳥島のレアアース? 結構な話ですわ。でもな、それが掘り出されてウチに届くのは何年後ですか? 政治家や学者は『日本の未来』を語るけど、私らは『明日の資金繰り』で死にそうなんです。国を守る喧嘩の最前線で、最初に血を流すのは自衛隊でも政治家でもない。私ら下請け企業なんですよ」

軍事的な威圧と、民間企業への経済制裁。この二重の圧力に対し、日本政府は企業を守り抜き、純国産資源の実用化まで走り切ることができるのか。南鳥島沖の静かな海の下で、日本の未来を懸けた見えざる戦争はすでに始まっている。

Tags

ライター:

ライターアイコン

寒天 かんたろう

> このライターの記事一覧

ライター歴26年。月刊誌記者を経て独立。企業経営者取材や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

関連記事

タグ

To Top