
冷たい風が吹き抜け、街の輪郭が白くかすむ。
26日、日本列島は大雪と猛吹雪のピークを迎えている。日本付近は強い冬型の気圧配置となり、上空には今季屈指の寒気が流れ込んだ。気象庁によると、北日本から西日本にかけて雪の範囲が急速に広がり、平地でも積雪となる地域が出ている。
雪が「積もる」のではなく「叩きつける」JPCZの脅威
今回の大雪を特徴づけるのが、JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)の流入である。
日本海で発生した雪雲が帯状に連なり、中国地方から近畿北部へと次々に流れ込む。この現象が起きると、雪は断続的ではなく、短時間に一気に降り積もる。
北海道から九州北部まで雪 交通機関に影響拡大の恐れ
雪は北海道から九州北部まで広範囲に及び、日本海側を中心に暴風雪となっている地域もある。
とくに26日午前は大雪のピークとなる所が多く、新幹線や在来線、高速道路、航空便など、交通機関への影響が懸念される。
夜にかけては北日本で再び雪が強まる見込みで、除雪作業が追いつかなくなる可能性もある。
最大80センチの降雪予想 太平洋側も油断できず
気象庁の発表では、27日朝までの24時間降雪量は、北陸で最大80センチ、東北で最大70センチに達する見通しだ。
さらに強風の影響で雪雲が山を越え、東海や関東の一部でも降雪が予想されている。今夜から明朝にかけては冷え込みが一段と厳しくなり、路面凍結や水道管の凍結にも注意が必要となる。
【年末年始の天気】一時回復も、年明け早々に再び強い寒気
今回の寒気は年内最後となる可能性が高い。ただし、穏やかな天気は長く続かない。
27日以降はいったん冬型が緩み、28日は広く晴れる見通しだ。
一方で、
- 31日:前線通過で天気下り坂
- 1月1日:冬型の気圧配置が復活
- 1月5日前後:今回以上の強い寒気が流入する可能性
が指摘されている。Uターンラッシュや仕事始めと重なる可能性があり、早めの移動判断が求められる。
雪道での立ち往生に警戒 命を守る備えを
大雪時の外出は極力控えるべきだが、やむを得ず車を利用する場合は備えが欠かせない。
防寒具、毛布、飲料水、非常食、モバイルバッテリー、スコップ、タイヤチェーンは必須だ。
車が雪に埋まった状態でエンジンをかけ続けると、一酸化炭素中毒の危険がある。マフラー周辺の除雪と、エンジン停止の判断が命を守る。



