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立花孝志容疑者逮捕 沈黙を貫く斎藤知事「行政の長として個別のSNS評価は避けてきた」

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斎藤元彦知事
DALLーEで作成

兵庫県庁の朝は、いつもより報道陣が多かった。
記者たちがカメラを構える先に現れたのは、淡々とした表情の斎藤元彦知事。
その胸ポケットには、わずかに折り目のついた資料が覗いていた。

前日、政治団体「NHKから国民を守る党」党首・立花孝志容疑者(58)が名誉毀損の疑いで逮捕された。
対象は、今年1月に亡くなった元兵庫県議・竹内英明氏への発言やSNS投稿だった。
立花容疑者は「警察の取調べを受けているのは間違いない」「明日逮捕される予定だった」などと事実と異なる情報を拡散したとされる。

 

 

「捜査中の件なのでコメント控える」

10日午前、県庁内で取材に応じた斎藤知事は、報道陣から矢継ぎ早に質問を受けた。

Q. 立花容疑者の逮捕についての受け止めは?

「報道で承知しております。捜査中の件でございますので、コメントについては控えたいと思います」

一呼吸置いて、知事は続けた。
「SNSなどで誹謗中傷や事実でないことを述べるのは、誰もがすべきではない。広報や啓発を通じて、正しい情報発信を呼びかけたい」

声のトーンは終始落ち着いていた。だがその一言一言には、県政トップとしての距離の取り方がにじんでいた。

 

「個別のSNS投稿の評価は避けてきた」

立花容疑者は2024年の兵庫県知事選にも立候補していた。

当時、自身の当選を目指さず「斎藤知事を支援する」と発言していたことから、県政との距離感にも注目が集まっている。

この点について問われると、知事はきっぱりと答えた。
「行政の長として、個別の投稿や発言を評価することはこれまでも避けてきたし、これからも変わらない。県政はSNSではなく、予算や条例といった制度を通して進めるものだと考えている」

斎藤知事は、あくまで「行政」としての姿勢を強調し続けた。

 

竹内元県議の遺族「今はほっとしている」

兵庫県警によると、立花容疑者は9日に逮捕され、10日午前に送検された。
容疑の核心は、亡くなった人物への虚偽情報の拡散。警察はスマートフォンの解析を進め、関連するやり取りの有無を慎重に調べている。

竹内元県議の妻は報道各社の取材に、「今はほっとしています。今後については捜査を見守っていきたい」と語った。

また、百条委員会の元委員長・奥谷謙一県議もコメントを発表し、「デマや中傷は個人の尊厳を奪う暴力。社会全体で許さない意識を共有すべき」と述べた。

 

交錯する県民の声

ネット上では、知事の慎重姿勢に対して「逃げの姿勢では」との批判もある一方、「捜査中に不用意な発言を避けるのは当然」と理解を示す声もある。
県政の透明性を問う声と、言論の自由をめぐる議論が、再び兵庫を揺らしている。庁舎の外では、冬の風が神戸の海から吹き抜けていた。
立花容疑者をめぐる「言葉の暴力」と「沈黙の政治」。その交差点に、兵庫県政の難しさが浮かび上がる。

 

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ライター:

広告代理店在職中に、経営者や移住者など多様なバックグラウンドを持つ人々を取材。「人の魅力が地域の魅力につながる」ことを実感する。現在、人の“生き様“を言葉で綴るインタビューライターとして活動中。

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