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“汚部屋TikToker”最強ちゃん、ゴキブリ3万匹と家賃滞納の果てに…渋谷ベビールーム暴言配信の顛末

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最強ちゃん
最強ちゃん TikTokより

ゴキブリを3万匹繁殖させた“汚部屋ティックトッカー”として悪名を馳せた「最強ちゃん」。家賃130万円を滞納して強制退去となった後も、渋谷・道玄坂通のベビールームで長時間配信を繰り返し、利用客に暴言を浴びせる姿が拡散され炎上を招いた。SNSでの批判、施設側の対応、さらに控訴審を控える法廷闘争——騒動の現在地を追った。

 

ゴキブリ3万匹の“汚部屋”から一躍悪名高き配信者へ

TikTokで活動する最強ちゃんは、かつて「汚部屋配信」を売りにしたことで知名度を得た。部屋一面に広がるゴミ袋、そこを這い回る無数のゴキブリ。その異様な光景を笑いながら配信する様子は、視聴者に衝撃を与える一方で、再生回数を稼ぐ“炎上マーケティング”の手法でもあった。

一部の視聴者は「刺激的で目が離せない」と面白がったが、近隣住民にとっては迷惑以外の何ものでもなかった。悪臭、深夜の騒音、さらには害虫の拡散が深刻化。配信の裏側には、ネットの娯楽として消費される“異常”と、現実世界での“被害”が隣り合わせに存在していた。

 

家賃130万円滞納、東京地裁で退去命令

問題は生活面にも及んだ。最強ちゃんは居住していたマンションで家賃を滞納し、未払いはおよそ130万円に膨れ上がった。管理会社が提訴し、今年6月、東京地裁は建物の明け渡しを命じる判決を下した。8月には強制退去が執行され、彼女は住居を失うことになった。

しかし彼女は判決を受け入れず、7月に控訴。9月には「精神病」を理由に控訴理由書を提出したと自ら生配信で明かした。司法判断すらコンテンツ化するその姿勢に、視聴者からは「開き直りすぎて呆れる」との声が相次いだ。控訴審は10月20日に予定されており、結果次第ではさらに注目を集めることは間違いない。

強制退去後の彼女は“家なし子”状態に転落。それでも配信活動をやめず、スマホ片手に街をさまよう姿が日常となった。ネットでは「汚部屋芸から路上芸へ」と揶揄されるほど、生活そのものを見世物に変えている。

 

渋谷ベビールームでの暴言配信

9月20日午後、渋谷・道玄坂通の商業施設に設置されたベビールームから彼女が配信を始めた。赤ちゃんを連れた親のために用意された空間であるにもかかわらず、最強ちゃんは長時間占拠し、自分の“アジト”のように使用していた。

配信中、仕切りを開けようとする音が聞こえた途端、彼女は怒声をあげた。
「勝手に見んな!ふざけるな、ドア閉まってるんだから来んじゃねぇボーケ、消えろ!……開いてないほう使えよ。キモっ」

この暴言シーンは切り抜かれてTikTokやXで拡散。瞬く間に炎上し、「公共施設を私物化している」「赤ちゃんが使う部屋で不衛生な人物が居座るのは許せない」と批判が殺到した。しかも調査によれば、彼女は強制退去後から同じベビールームを何度も利用して配信していたとされる。

現場を訪れた記者によれば、ベビールームは「誰でも利用できます」と掲示があり、オムツ交換台2台と個室2室が備わっていた。だが、利用規約の想定は子連れや授乳目的であり、長時間の生配信で独占する行為は「不適切利用」に他ならない。

 

SNSで飛び交う怒りと嘲笑

炎上後、SNS上では怒りの声が大多数を占めた。
「お母さん怖かっただろうな」
「非常識にもほどがある!」
「ゴキブリの卵なんか持ち込むな。赤ちゃんの口に入ったらどうするんだ」

不衛生な“汚部屋配信者”という彼女のイメージと、赤ちゃんが使う施設が結びついたことで、批判はさらに強まった。

しかし一方で、「ヤバすぎて逆に笑える」「カオスすぎて目が離せない」と面白半分で消費する声も散見された。炎上がエンターテインメント化し、彼女自身が“炎上芸人”として扱われている現実は、ネット文化の歪みを映し出す。

また、彼女の元住居近くに住む出版関係者はこう語る。
「コンビニでよく見かけたが、スマホ片手にブツブツ独り言を言っていた。怪訝そうに見ると“見んじゃねーよ”と暴言を吐かれる。ベビールームを利用していたと知り、あまりの不潔さにゾッとした」

近隣住民、利用客、SNSの不特定多数。被害の範囲は広く、現実とネットの境界を越えて波及している。

 

炎上芸の果てに見える社会の病理

施設の運営元に問い合わせると、「個別の事案の詳細には回答できないが、全利用者が安全で快適に使えるよう管理を徹底する」との回答が寄せられた。だが「誰でも使える」空間が、想定外の使い方をされる危うさを露呈したことは否定できない。

最強ちゃんの一連の行動は、単なる迷惑配信者の問題にとどまらない。配信者が現実世界で他人の生活を侵害しても、それが「コンテンツ」として消費され、視聴数や広告収入につながる構造が温存されていること自体が社会的病理といえる。

10月20日の控訴審判決は、彼女自身の運命を左右するだけでなく、ネット社会における“炎上芸”の限界を問う節目となるだろう。最強ちゃん騒動は、配信者、視聴者、プラットフォーム、そして公共空間を管理する社会全体に、「どこまで許されるのか」という重い問いを突きつけている。

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ライター:

千葉県生まれ。青果卸売の現場で働いたのち、フリーライターへ。 野菜や果物のようにみずみずしい旬な話題を届けたいと思っています。 料理と漫画・アニメが大好きです。

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