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RE100とは?参加するメリットと申請方法をわかりやすく解説!

コラム&ニュース Tips
サステナブルな取り組み ESGの取り組み
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写真ACより

脱炭素、サステナブルな事業を目指す企業にとって「RE100」が注目を集めています。

しかし一方で、「RE100とは一体なに?」「RE100に参加するメリットは?」このような疑問がある人は多いのではないでしょうか。

2015年、国連サミットで採択されたSDGs、さらに同年、パリ協定で掲げられた「2℃目標」といった、再生可能エネルギーを用いたサステナブルな事業推進は世界的なムーブメントとなっており、「RE100」は企業の再生可能エネルギーへの取り組みを評価するものとして、加入している日本企業も増えています。

そこで今回は…

  • RE100とは?
  • RE100に参加するメリット
  • RE100を申請する方法


これらについてわかりやすく解説します。

さまざまなESG投資の中から、「RE100」が自社にマッチしているのか?
その判断がしたいと考えている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

RE100とは?

pixabay
pixabayより

RE100(あーるいーひゃく)とは、企業が自らの事業で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す、国際的な企業連合のことをいいます。

この企業連合は「国際的イニシアチブ」と呼ばれており、「国際的に努力し推進していく団体」を意味しています。

RE100の目的は、100%再生可能エネルギーへの切り替えによる、『脱炭素社会』の実現です。

世界各国で397社、日本企業では82社が加盟しており、この企業数は米国に次いで2番目、アジアではトップを走る企業数となっています。(2023年8月時点)
CLIMATE GROUP RE100 公式ホームページより)

RE100と似た用語との違いは?

RE100と似ている用語に、「EV100」「EP100」があります。
どれも同じ脱炭素社会の実現に関する取り組みですが、意味や目標は異なります。

用語RE100
(Renewable Energy 100%)
EV100
(Electric Vehicles 100%)
EP100
(Energy Productivity 100%)
対象企業が使用する電力企業が使用する輸送手段エネルギーの効率性
目標企業が使用する電力を100%再生可能エネルギーを目指す事業活動で使用する輸送手段を100%電気自動車に移行を目指す使用エネルギーを効率よく運用し、エネルギー消費の根本的な改善を目指す

RE100に向けた取り組みを行うメリット

pixabay
pixabayより

RE100に加入するメリットとして挙げられるのは、以下の項目です。

  • 温室効果ガス排出削減に貢献できる
  • 再生可能エネルギー市場規模の拡大につながる
  • 企業の社会的評価アップが期待できる


では、一つずつ見ていきましょう。

温室効果ガス排出削減に貢献できる

化石燃料を使用しない再生可能エネルギーは、温室効果ガスであるCO2を排出しません。

また、設備の建設や廃棄などライフサイクル全体においても、化石燃料発電に比べてCO2の排出を大幅に抑えることが可能です。

再生可能エネルギー市場規模の拡大につながる

RE100の取り組みが活発化すれば、再生可能エネルギー市場規模の拡大につながります。
再生可能エネルギー市場の拡大が必要な理由として、

  • 電力調達コストの削減につながる
  • 日本のエネルギー自給率が向上する


これらがあります。

現在では、太陽光発電における設備容量が増えており、2020年に127GWだった設備容量は、2030年には630GWと約5倍になると予測されています。

設備拡大に伴い、太陽光発電にかかるコストは下がることが期待されており、国によってはすでに火力発電に近い水準となっているケースもあります。

世界的に見ても、太陽光発電にかかるコストは2012年の217ドル/MWh(メガワット時)から2020年には57ドル/MWhまで下がっており、8年間で約4分の1になっているのが現状です。

再生可能エネルギー市場が大きくなり、太陽光発電にかかるコストが低減されることで、電力調達にかかるコストを抑えられることが期待できます。

企業の社会的評価アップが期待できる

企業の社会的評価の向上が期待できることは大きなメリットです。

近年、統合報告書やサステナビリティレポートのように、企業が外部に開示する情報は、「財務面」だけでなく「非財務面」を含むことが一般的になってきました。

これは、企業の評価において、どれだけ利益をもたらすかではなく、どれだけ環境に配慮しているのかという点も、判断基準に含まれていることを表します。

RE100に向けた取り組みを行っていることは、100%再生可能エネルギーへの切り替えに向けた取り組みを行っている証明となります。

機関投資家からのESG取組企業としての評価を受けることができ、結果として、資金が集まり新たな事業拡大のチャンスが得られます。

また世間一般的にも、顧客や消費者が商品やサービスを選ぶ際、サステナビリティな事業を行う企業であるかは重要視されるようになってきました。

そのため、RE100への取り組みをアピールすることで、顧客からの評価も上がり売上アップも期待できます。

自社のサステナビリティの取組みを開示する方法には以下の方法もあります。

RE100の参加要件と申請方法

re100_free
(O-DANより)

RE100に参加するために知っておくべき、参加要件と申請方法を解説します。
これからRE100への参加を考えている方は参考にしてみてください。

参加要件

RE100に参加するためには、企業の条件が設定されているので注意が必要です。

RE100に参加するための条件

  • 消費電力量が年間100Wh以上であること(日本企業は50Gwh以上に緩和)
  • 自社事業で使用する電力の100%再生可能エネルギー化に向け、期限を切った目標を設定し、公表すること
  • 自社グループ全体での参加、および再エネ化にコミットしていること
  • 「2030年までに60%/2040年までに90%/2050年までに100%」再生可能エネルギーへの切り替えができるビジョンがある


消費電力が年間50GWhに満たない場合は、「再エネ100宣言 RE Action」への参加が推奨されています。これは、RE100と同じく再エネ100%を促進するための枠組みです。

また参加申請をするにあたり、自社が「RE100の対象外企業」に当てはまっていないかという点にも注意が必要です。

RE100参加対象外の企業

  • 化石燃料推進または、再エネ普及を妨害するロビー活動や、化石燃料資産の増加取組み、人権侵害や犯罪行為など、RE100のミッションや信頼性に負の影響を与える可能性のある企業
  • 化石燃料・航空・軍需品・ギャンブル・タバコのみに属する企業
  • 主要な収入源が電力関連事業の企業

日本気候リーダーズ・パートナーシップ「JCLP」ホームページより)

申請方法

RE100への参加申請方法の手順は、

  1. RE100事務局に連絡
  2. 参加申込書を入手する
  3. 参加申込書を記載し、RE100事務局へメールで送信


以上の手順となります。
次に、申込書に記載する内容は以下の通りです。

各種項目
企業情報
・国、企業名、業種、売上、従業員数、X(旧Twitter)ハンドル
・全消費電力量、再エネ消費量、再エネ化率
・目標(再エネ100%達成年、中間目標)
会員クラス選択・Gold(年会費:15,000ドル/特典はイベント登壇機会など)
・Standard(年会費:5,000ドル)
企業ロゴの同意・企業ロゴをRE100で利用することに同意し、責任者がサイン
RE100について|環境省より

最後に、参加申込書をRE100事務局へ送信すれば完了です。
参加申込書の提出先(RE100事務局):info@re100.org

RE100の参加条件を達成する方法

re100_free1
(O -DANより)

RE100への参加は、事業で使用する電力を再生可能エネルギーでの調達が必要です。

しかし、具体的にどのようにすれば再生可能エネルギー化を調達できるのか、といった対策に迷われている方もいるかと思います。

ここでは、RE100に参加するための再生可能エネルギー調達方法を紹介します。

再生可能エネルギーの調達方法

再生可能エネルギーを調達するためには、以下3つの方法があります

  • 自家発電/自家消費
  • 小売電気事業者から購入
  • 再エネ電力証書の購入


それぞれについて、具体的に説明します。

自家発電/自家消費

自社の敷地内、もしくは敷地外に再生可能エネルギー発電設備を設置し、発電した電力を自社で消費するという方法です。

この場合、再生可能エネルギー発電設備の所有者は、必ずしも自社である必要はありません。

第三者が保有する発電設備を導入することも可能です。発電設備にかかるコストは必要ありませんが、第三者機関との契約料が必要となります。

小売電気事業者から購入

小売電気事業者が提供する「再エネ電力メニュー」を購入する方法です。環境省が公表している、RE100対応の再エネ電気メニューを提供している小売電気事業者から購入します。

  • 四国電力株式会社
  • 株式会社エネット
  • 株式会社エナリス・パワー・マーケティング
  • オリックス株式会社
  • サミットエナジー株式会社
  • ミツウロコグリーンエネルギー株式会社
  • 株式会社Looop
  • 大和ハウス工業株式会社
  • アーバンエナジー株式会社
  • みんな電力株式会社
  • スマートエナジー磐田株式会社
  • ゼロワットパワー株式会社

気候変動時代に公的機関ができること|環境省より)

上記の事業者以外にも、再エネ電気メニューを提供している事業者はありますので、自家発電が難しい場合は、小売電気事業者から電力を購入する方法も有効でしょう。

再エネ電力証書の購入

小売電気事業者が提供する、再生可能エネルギーによって発電された電力は、
「電力価値」と「環境価値」の2種類からなっています。

pixabay
気候変動時代に公的機関ができること|環境省より

再エネ電力証書とは、上記の『電力価値』と『環境価値』のうち、環境価値のみを購入するということが可能です。

この場合、環境価値しか購入していないため、別途電力を購入する必要があります。

事業者自らが再生可能エネルギー電力発電システムを構築しなくても、再生可能エネルギーの普及やCO2排出削減に貢献しているということを証明することが可能となります。

RE100に向けた取り組みを行う企業例

最後にRE100に向けた企業の取り組み事例をご紹介します。
ここでご紹介する企業は、以下の4社です。

  • 株式会社大川印刷
  • 株式会社リコー
  • 株式会社丸井グループ
  • 大和ハウス工業株式会社


では、それぞれ見ていきましょう。

株式会社大川印刷

株式会社大川印刷

株式会社大川印刷は、環境省より「中小企業版2℃目標・RE100の設定支援事業」に採択されました。
実際に行っている取り組みとしては、以下の通りです。

  • 自社の敷地内に太陽光パネルを設置
  • 太陽光パネルで発電した電力を購入し、自家消費
  • 本社工場の20%を太陽光発電で賄い、残りの80%を青森県横浜町にある風力発電施設で発電された電力を使用(電力は、みんな電力株式会社から購入)


株式会社大川印刷では、自社施設内に設置した太陽光発電の電力を自家消費し、風力発電の電力を小売事業者から購入することで、再生可能エネルギーへの切り替えを実現しています。

株式会社リコー

株式会社リコー
株式会社リコーより

株式会社リコーは、2017年4月に日本企業として初めてRE100に加盟しました。実際に行っている取り組みとしては、以下の通りです。

  • ソーラーパネルを活用した自家発電や、再生可能エネルギー電力への切り替え
  • イギリスの拠点であるRIcoh UK Products Ltd.においては、2019年10月1日から再エネ電力契約に切り替えることにより、社屋で使用する電力を全て再エネ電力とした
  • 岐阜支社では太陽光発電や蓄電装置の導入によりNearly ZEB*の認証を取得
Nearly ZEB(ニアリー・ゼブ)は、ZEBに限りなく近い要件を満たした建築物のこと。
【ZEBの定義】「先進的な建築設計によるエネルギー負荷の抑制やパッシブ技術の採用による自然エネルギーの積極的な活用、高効率な設備システムの導入などにより、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギー化を実現した上で、再生可能エネルギーの導入により、エネルギー自立度を極力高め、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロを目指した建築物」
(参照元:ZEB POTAL|環境省

株式会社リコーは、ソーラーパネルによる自家発電・自家消費や、再エネ電力の契約に切り替えることで、再生可能エネルギーの導入を実現しています。

株式会社丸井グループ

re100_marui
丸井グループより

自社で排出するCO2の約80%が電力消費による丸井グループは、2030年までに再生可能エネルギーへ切り替えることを目標に掲げ、2018年にRE100に加盟しています。

丸井グループでは、以下の取り組みを実施しています。

  • 「ENECT RE100 プラン」のトライアルに参加、再エネ電力サービスの導入を推進
  • 「エコロジカル・インクルージョン」をテーマに、環境負荷の少ない事業を推進
  • お客さまと一緒にCO2削減に取り組む『みんなで再エネ』プロジェクトをスタート


『ENECT RE100 プラン』は、みんなの電力株式会社が提供するサービスで、日本で初めてブロックチェーン技術による再エネ発電所のトレーサビリティを実現した取り組みです。

丸井グループは、RE100の電力調達の原則に則った形を取ることを目指し、『ENECT RE100 プラン』のトライアルに参加しました。

『みんなで再エネ』プロジェクトは、株式会社丸井グループとみんな電力株式会社が共同で開始したサービスです。

丸井グループが発行するクレジットカード「エポスカード」の会員に対して、再エネ電力の利用を簡単に申し込めるサービスとなっています。

このサービスを利用した場合、電気料金の0.5%は日本国内の森林保全や育成を行う「みらいの森プロジェクト」に寄付され、植林活動の資金として利用されます。

丸井グループはこの取り組みにより、自社だけでなく顧客も巻き込み、100%再生可能エネルギーへの切り替えを目指しています。

大和ハウス工業株式会社

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大和ハウス工業株式会社より

2055年、創業100周年を迎える大和ハウス工業株式会社は、
「Challenge ZERO 2055」を掲げ、環境負荷ゼロの事業へと挑戦しています。

4つの重点テーマ、

  • 気候変動の緩和と適応
  • 事前環境との調和(生物多様性保全)
  • 資源循環・水環境保全(長寿命化・廃棄物削減)
  • 化学物質による汚染の防止


これらに対して、「サプライチェーン」「事業活動」「商品サービス提供」の各段階で、脱炭素に向けて取り組んでいます。

なかでも重要なテーマと位置付けているのが「気候変動の緩和と適応」です。

大和ハウス工業は、主要サプライヤー企業に対しても、GHG排出量削減目標を掲げることを要請しており、2023年現在では、サプライヤー企業の9割がGHG排出目標を掲げるまでになりました。

cokiでは、大和ハウス工業の境部環境マネジメントグループ長 山本亮さんに環境への取組みについて伺いました。ご興味のある方は下記のリンクよりご覧ください。

RE100への参加が企業価値を高める

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(O -DANより)

サステナブルな事業を展開していることを、メディアなどを通じて対外的にPRすることは企業価値を大きく高めることにつながります。

そのような視点から、RE100への参加は、企業がESG投資を積極的に行っていることの意思表明ともなるでしょう。

近年、多くの企業は自社のみならずだけでなく、サプライヤーに対しても、再生可能エネルギー再エネの導入や、温室効果ガス排出に配慮した取り組みを要求するケースが、大手企業を中心に増えています。

海外の大手企業に目を向けてみると、Apple社では、自社の脱炭素事業への転換は2020年に実現させ、2030年までに世界中のサプライチェーンにまで広げると宣言しています。

Apple社最大のサプライヤーの、Foxconn社でもすでに2019年からクリーンエネルギー導入プログラムに参画している事実があります。

つまり、大手企業のみならず、中小企業を含めた全ての企業において、サステナブルな事業を推進していることを対外的に示し、実践していくことが必要となっているのです。

反対に、もしこのような要求に対応できなければ、大手企業との取引の獲得機会が減少したり、取引継続が中止されるなど、企業の存続に関わるリスクに繋がりかねないとも言えるでしょう。

まとめ

本記事では、RE100とは何か?参加するメリットと申請方法、再生可能エネルギーの調達方法を、企業事例を用いて紹介してきました。

これからESG投資を検討している企業は、RE100をきっかけに始めてみてはいかがでしょうか。

「coki」では、ESGデータブックや統合報告書の制作メディアを活用し、サステナブルな取り組みの対外的なPRを支援しています。

企業が、人や社会、ステークホルダーに対して、どれほどの「想い」を持って事業をしているのかは、なかなか見えにくいものです。

環境や社会貢献度、ステークホルダーエンゲージメントを可視化するサービスを専門とし、導入いただいたクライアント様からは、たくさんの喜びの声をいただいております。

自社のサステナビリティ対応に困ったら、
まずは下記バナーからcokiにご相談してください。

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(編集者:水戸 湊

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ライター:

Webライター。Webサイトを10年以上運営。ブログ記事・コラム記事・メルマガ・LINEステップ配信文など、これまでに1000記事以上を執筆。現在は、企業HPに掲載するコラム記事の執筆を中心に活動中。プライベートでは、大好きなコーヒーを中心にサステナブルなライフスタイルを実践。自分の好きなことを活かして、地球・自然・人の役に立てるよう日々活動している。運営サイト:https://ethica-life.com/

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