女性が倉庫を変えた  阪南倉庫「男女比50%」の現場はどのようにして生まれたのか

大阪・泉大津の内陸部に、2万坪の物流拠点が立ち並ぶ。

その内部では、倉庫業界の常識とは明らかに異なる光景が広がっている。フォークリフトを操る女性、配車業務を担う若手女性社員、そして年齢の若いスタッフたちが軽やかに行き交う姿だ。

数字にして男女比はほぼ1対1。従業員数は約235名(2025年時点)で、平均年齢は38歳前後というから、倉庫現場の一般的なイメージとは大きくかけ離れている。

だがこの職場は、偶然こうなったわけではない。

40年にわたり続けてきた現場改善、採用方針の転換、そして“人を中心に置く”という経営思想の積み重ねが、静かにこの光景をつくりあげてきた。阪南倉庫に話を聞くと、その変化の過程がじわりと浮かび上がってくる。